HOME > 実習科目・特別講義 > 開催レポート2008 > フィールドリサーチ > 川手ゼミ 長崎県雲仙市

川手ゼミ 長崎県雲仙市
岩崎政利さんの圃場における種とり体験
産業社会学研究室では、演習形式の事前研修と2泊3日のフィールド調査に基づき、「食卓の向こう側」である農漁業および原点の食品加工、さらには食文化について学び、持続的なフードシステムや都市と農村のあり方について考え、同時に、フィールド調査の方法や調査結果のとりまとめ方を理解し、身につけてもらうことを目標としてフィールドリサーチを実施しています。本年度は、昨年度に引き続き長崎県雲仙市に赴き、平成20年7月30日〜8月1日の3日間の日程で現地調査を実施しました。
7月30日は、雲仙市内の南串山町京泊港に赴き、エタリ(カタクチイワシ)漁師の竹下千代太さんに、漁港を見学させて頂きつつ、エタリ漁の実際とエタリの塩辛の取り組みについてレクチャーを頂きました。
翌7月31日は、雲仙市役所に到着して奥村慎太郎市長はじめ関係者にごあいさつをした後、雲仙市および長崎県の担当者の方から、雲仙市の農業と地域ブランド化の取り組み、農産物直売所と農家女性による農産加工・直売の取り組み、島原半島における農業の概要などについて講義を受けました。その後、守山女性部加工組合という、全国を代表するような農家女性による農産加工の会社に赴き、特産の雲仙こぶ高菜とこんにゃくを使った加工・料理体験をさせて頂き、さらには、自分たちで作った加工品や料理を含めた昼食を食べさせて頂きました。ついで、自家採種に基づき有機野菜を生産している岩崎政利さんの農園で岩崎さんの取り組みについてレクチャーを受けた後、野菜の種採り体験をさせて頂きました。夜は、宿舎にて、雲仙市や長崎県、さらには現地調査を受け入れて頂いた方々と懇親会を行い、交流を深めました。
8月1日は、まず、吾妻農産加工組合というやはり全国を代表する農家女性による農産加工の取り組みについてレクチャーと見学させていただき、みそづくりをはじめとする原点の食品加工について学ばせていただきました。ついで、 雲仙きのこ本舗に赴き、工場見学をさせていただき、キノコのもぎ取り体験をさせて頂くと同時に、きのこ農家から島原そうめんなど麺類ときのこを組み合わせ食品会社への展開過程と現状についてレクチャーを受けました。なお、雲仙きのこ本舗のレストランにて昼食を頂きました。
全体的に内容が盛りだくさんで慌ただしいスケジュールとなりましたが、学生たちは、普段接する機会が少ない「食卓の向こう側」「お皿の外側」である農漁業や農家の手わざを駆使した原点の農産加工などについて実施体験を含めて学ぶことができ、大変良い経験になったのではないかと思います。
なお、現地調査終了後、研究室と雲仙市の連携を深める試みとして、平成20年10月25・26日の両日、雲仙きのこ本舗と雲仙市役所から職員の方においで頂き、学部祭で出店頂きました。過去2年間において現地調査でお世話になった学生も多数お手伝いをさせて頂き、雲仙市の農水産物や加工品の販売とPRにつとめつつ、交流を深めさせて頂きました。
さらに、11月27日に学部で開催された農村サミットの分科会において、雲仙市の守山女性部加工組合代表の馬場節枝さんをお招きして、守山女性部加工組合の取り組みと今後の大学との連携のあり方について話題提供頂き、具体的な連携のあり方は交流を続けていく中で考えていくことが重要との指摘を受けました。また、現地調査でお世話になった学生代表にフィールドリサーチの報告を行ってもらいました。
このように、まだまだ試行錯誤しながらではありますが、研究室では、雲仙市との交流を、単に現地調査で受け入れて頂くだけでなく、少しずつ有機的なつながりにしていくことを模索していきたいと考えています。
最後に、現地調査や学部祭への出店、さらには農村サミットへの対応を快く受け入れて頂き、ご協力頂いた雲仙市および長崎県に改めてお礼申し上げます。
漁船(天洋丸)の船上にて
吾妻農産加工組合における見学(梅干し加工)
守山女性部加工組合における加工体験
盛田・竹下ゼミ 北海道夕張市 | 斎藤ゼミ 岩手県葛巻町 | 高橋ゼミ 福島県喜多方市
礒田(清水)ゼミ 栃木県足尾町 | 稗貫ゼミ 栃木県宇都宮市 | 中島ゼミ 千葉県野田市
宮部ゼミ 長野県小布施町 | 安村ゼミ 長野県飯島町 | 木島ゼミ 新潟県六日町
大矢ゼミ 愛媛県今治市 | 川手ゼミ 長崎県雲仙市 | 下渡ゼミ 鹿児島県志布志市