放射線腫瘍科

動物にやさしいがん治療

放射線治療とは

放射線治療とは、X線(時には電子線)と呼ばれる放射線を腫瘍(がん)に当てて、腫瘍を縮小させる治療です。放射線治療は、手術、抗がん剤(化学療法)と並んで、がん治療の3本柱の1つです。放射線治療が他の2つの治療法と比較して優れているところは、治療自体に痛みがなく、身体に対する負担がとても低い点です。

このような特徴から、人のがん患者さんに対する放射線治療は無麻酔で行われます。しかし、動物は放射線治療を行う寝台の上で人のようにはじっとしてくれないことから、毎回の治療には全身麻酔をかける必要があります。

放射線治療がよく用いられる腫瘍

どの治療法が選択されるかは、腫瘍の種類、腫瘍が発生した部位などによって、決められます。加えて、動物の年齢、体力も大事な選択要因です。鼻腔内のがんの治療には、主に放射線治療が用いられます。また、口腔内のがんのうち、大きくなったために手術が難しくなったもの、手術が難しい部位に発生した脳腫瘍にも用いられます。腫瘍によっては、手術で完全に腫瘍を取り除くことが難しいことがあります。その場合は、手術後に放射線治療が行われることもあります。

放射線治療予約日のお願い

毎回の放射線治療には、全身麻酔をかけます。麻酔時間は20分程度で短時間ですが、麻酔覚醒時の誤嚥を防止するために、来院12時間前からの絶食をお願いしています。麻酔から覚醒しましたら、当日にお帰りいただけます(外来治療)。

放射線増感剤について

当院では鼻腔内腺癌を患っている犬に対して、放射線治療の効果を強くする作用がある放射線増感剤(SQAP)を使用しています。

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