日本大学 ANimal MEdical Center

研修医制度の紹介

病院診療の見学は随時受け付け中

各科を回るローテーション研修と専門研修で
構成される充実したプログラム

ANMECの研修医制度の特徴1

ローテーション研修

日本大学の研修医制度は、全診療科(11診療科)を2年間かけて回る全科(ローテーション)研修と、その後、内科系または外科系に別れて、より専門的臨床獣医学を学ぶ専科研修の2部で構成されています。

全科診療科では、各診療科を図のように順々に、そして徐々にレベルが高い知識、技能を身につけながら、2年間かけて4周します。この方式をローテーション研修とも呼んでいます。ローテーションすることにより各診療科領域の臨床獣医学的基礎、そして診断、治療の流れと実際を自然に修得することが出来ます。それぞれの診療科での研修内容は、下記を参照して下さい。

全科研修は、志願者に臨床経験を求めていませんので、意欲がある獣医師であれば、どなたでも応募することが出来ます。また、当然のことながら、出身大学や年齢も問いません。

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ANMECの研修医制度の特徴2

専科研修

外科系と内科系

2年間の全科研修後、さらに専門的な研修を受ける制度が専科研修です。専科研修では、上記のローテーションイメージの通り、外科系と内科系に別れて研修を行います。

外科系は、軟部組織外科と整形外科に診療科が別れています。そして、研修指導には、日本小動物外科専門医協会の設立専門医1名、認定専門医2名を含む教員およびスタッフが担当します。

内科系は、いわゆる内科診療科ですが、その専門性を生かして、外科手術を手がけている診療科もあります。研修指導には、アジア獣医内科学会 (Asian College of Veterinary Internal Medicine)の専門医3名を含む教員およびスタッフが担当します。

研修内容の紹介

何が学べるのでしょうか?

研修教育の目標

研修医となった場合、各診療科でどのようなことを研修できるのか、また、研修の目標を紹介します

軟部外科

Soft Tissue Surgery
  • 外科症例の診断を総合的に学ぶことができます。特に、CT画像の読影や超音波検査法の習得などができます。
  • 無菌操作や結紮・縫合など手術の基礎について学ぶことができます。また、オペミーティングを通じて手術の術式を理解することができます。
  • 麻酔管理や周術期管理を体得でき、より実践的な動物のケアを習熟できます。
  • 高度な手術技術を間近で見ることができ、コツやピットフォールを教えてもらうことができます。
  • 教員からの講習会や双方向での症例検討会や勉強会が適宜行われ、知識の整理ができます。また、学会発表や論文執筆を行うこともできます。
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整形外科

Orthopedics
  • 外来での病歴の聴取および問診
  • 身体検査、歩行検査、整形外科学的検査の習得
  • 四肢および脊柱のX線検査:撮影法と読影の基礎を習得
  • CTやMRIといった高度画像検査:画像の解釈を習得
  • 診断に至るまでの症例ディスカッション
  • 手術ミーティングでの術式等の学習
  • 担当症例の手術補助および術後管理

神経科

Neurology
  • 神経学的検査
  • 頭部・脊椎のX線画像読影法
  • ミニマムデータベースに基づく神経疾患の鑑別診断法
  • 小動物神経疾患(おもに脳脊髄疾患)のMRIおよびCT読影法
  • 電気生理学的検査(筋電図、脳波など)
  • 脳脊髄液検査(採取法と検査結果の解釈)
  • 神経外科(脳神経外科、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア*)
    *椎間板ヘルニアに関しては、専科研修過程で実際にアプローチまでしていただける場合があります。
頸部椎間板ヘルニアの手術
胃の内視鏡検査

一般内科・消化器内科

Internal Medicine
  • 適確な問診をとる
  • 一般身体検査(視診、触診、聴診など)
  • 心電図及び血圧の測定法と解釈
  • サンプリング(採血、採尿、関節液採取、皮膚スクラッチなど)
  • 臨床病理学的検査(内分泌検査も含む)の解釈
  • X線検査(単純、造影)の撮影法と解釈
  • 腹部超音波検査による腹腔内臓器の描出法と解釈
  • FNA、針生検、胆嚢穿刺、骨髄穿刺の手技習得と細胞診
  • 腹部CT検査、MRI(下垂体疾患)の読影
  • 消化管内視鏡検査(上部、下部)の手技習得(観察、生検、スメア細胞診)
  • 膀胱鏡検査の手技習得(観察、生検)
  • 腹腔鏡検査の手技習得(観察、生検、門脈造影など)
  • 生検した病理検査の解釈
  • インフォームコンセント(特殊検査、手術適応の有無)
  • ラウンド(症例カンファレンス)
  • 学会発表(獣医内科学アカデミー、動臨研、獣医師会ほか)

麻酔科

Anesthesiology
  • 年間のANMEC麻酔件数は1800件(うち手術麻酔は500件
  • 麻酔科指導獣医師のつきっきり指導のもとで臨床麻酔を経験(研修医1年次)
  • 基礎的な知識と技術の習得(研修医1年次)
  • 高度な麻酔管理および末梢神経ブロックの習得(研修医2年次~)
  • 術後の痛みの評価および疼痛緩和の実践
  • 麻酔科ミーティングでの麻酔計画作成とディスカッション
  • 麻酔科ミーティングでのショートレクチャー
動物診療に麻酔は非常に重要です
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呼吸器科

Rhinology & Pneumology

慢性的に持続する鼻水・くしゃみ・咳の原因について、
身体検査や血液検査などと共に鼻から肺までのCT画像検査を組み合わせた総合診療医としての研修を行っています。具体的には呼吸器内科の研修医は指導医や獣医学生(獣医学共用試験合格者)と協働し、最新の知見とともに議論をすすめながら原因となる病変を見つけ、治療については内科または外科療法、緩和・補助治療など、いくつかの方針を提案・実施することができる診療リーダーとしての素質を磨きます。

循環器科

Cardiology
  • 循環器科では「研修医が修了した後でも自信を持って循環器診療ができる」ことを教育目標にしています。

  • 指導医の判断のもと、専門的な知識や手技(立位での心臓超音波/動脈血液ガス検査、心臓カテーテル検査など)を学べます。

  • 最終的に問診から診断に至るまでの検査を自力でできるよう指導しています。

  • 研修医自身が得た検査結果から診断と重症度判定を考えてもらい、指導医と議論することで最終的な治療方針決定を行えます。

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消化管型リンパ腫の細胞診

腫瘍内科

Medical Oncology

がんを診断するための問診上の注意点や各種検査の結果について理解し、それらを踏まえた上で診断および治療方針について論理的に説明できることを目標にトレーニングを行います。さらに、当科の研修過程では診療と症例カンファレンスを通して、下記の点について技術や知識の習得を目指します。また、認定医取得も応援します。

  • 細胞診の手技と評価
  • 胸/腹部病変に対する超音波ガイド下針吸引生検
  • 組織生検
  • 骨髄穿刺の手技と評価
  • ハザーダスドラッグの適切な取り扱い
  • 抗がん剤の投与
  • 抗がん剤の副作用の評価と管理
  • オンコロジーエマージェンシー
  • 学会でのプレゼンテーション方法

インタビュー

研修医修了者の声

全科研修と専科研修を修了した研修医から、4年間を振り返って感想を聞いてみました

4年間の研修を終えて

「4年間は長い」と思われがちですが、実際に経てみると、この4年間は何物にも代えがたい大切な4年間でした。1,2年目で各科をローテーションし、3,4年目で専科に所属するというのは、新卒の自分が獣医師として成長していくうえで、これ以上ない環境だったと思います。獣医師としてだけではなく、人としても一本の筋を通してもらったと感じています。今後は地元の九州に戻りますが、これまで学んだことや経験してきたことを指標にして、地域の獣医療に貢献していきたいと思います。

蔵元 宏道

研修医修了の感想

あっという間の4年間でした。2年間各科をローテーションすることで様々な科の経験豊富な先生方のやり方を学び、その後専科に所属することによって専門的な知識を吸収することができました。難しい症例ばかり診ることになるので基礎的なことは疎かになるのでは?と言われることがありますが、基礎的な知識が無いと難しい症例も診れないので、全くそのようなことはありません。若い時に最先端の獣医療を学び、正しい知識を身に付けるということは非常に大切なことだと思います。日本大学動物病院の研修医になって本当によかったと思います。今後は一次診療の動物病院で働きますが、 ここで得た知識、経験を活かし、地域の獣医療に貢献したいと思います。

津田 真吾

研修医として感じた事

それは獣医師としてはもちろんですが、主治医の先生方やその他外科の先生、研修医、学生、症例とその飼い主さんから獣医療を通して、多くの事を学ばせてもらい、人間的にも大きく成長させてもらえたなということです。自分自身が獣医師としての第一歩を踏み出すのにこの大学病院を選んだ理由はそこにあります。多くの獣医療担う人と出会い関わり、自分自身の獣医師としての可能性を模索したかったからです。そして、今4年間の研修医を終えて、様々な方と関わり合いを持つ中で、自分自身の獣医師としての可能性はとても広がったと感じています。自分自身、この日本大学動物病院で獣医師人生をスタートできた事を誇りに思いますし、ここで自分を成長させてくれた全ての事に感謝し、今後獣医師として社会に貢献できるように精進していこうと思っています。

藤本 鉄兵

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