循環器科 Cardiology
~動物への負担が少ない循環器治療~
循環器科では、心臓血管系に異常がある犬猫を広く診療対象にしています。循環器疾患をもつ動物は緊急性が高く、命に関わることがほとんどです。したがって本科では動物に負担がかからない検査・治療を行なっています。

循環器を受診される飼い主様へ
当日の検査の流れ
- 問診後、侵襲性が低い検査から順次行っていきます。
- 緊急性が高い症例がきた場合、診察順が前後する場合があります。
精密検査について
- 場合によっては全身麻酔が必要になる場合があります。
- 特に重度な症例では入院下での検査・治療が必要になることもあります。
循環器検査について
循環器疾患の代表的な検査法として
①聴診②心電図検査③血圧検査④胸部レントゲン検査⑤心臓超音波検査を行なっています。
必要があれば⑥ホルター心電図検査⑦動脈血液ガス検査⑧心電同期CT検査⑨心臓カテーテル検査などを行います。
本院の特徴としてお預かりして検査を行うため「自分のペットがどんな様子で検査を受けているか不安だ」という飼い主様は多いと思います。本科では可能な限り「痛みのない」「不快感のない」「ストレスのない」検査を目指しています。
循環器疾患の代表的な検査法として
①聴診②心電図検査③血圧検査④胸部レントゲン検査⑤心臓超音波検査を行なっています。
必要があれば⑥動脈血液ガス検査⑦心電同期CT検査⑧心臓カテーテル検査なども行なっています。
本院の特徴としてお預かりして検査を行うため「自分のペットがどんな様子で検査を受けているか不安だ」という飼い主様は多いと思います。本科では可能な限り「痛みのない」「不快感のない」「ストレスのない」検査を目指しています。
特徴的な診断・治療方法
【ホルター心電図解析】
ホルター心電図は携帯型心電図記録装置の一種であり、24〜72時間心電図を監視するための機械です。 不整脈が原因で失神したり元気がなかったりする動物を対象に行います。右の図のように動物にジャケットを着てもらい、1日〜数日間普段通りに生活してもらいます。

【低侵襲立位心エコー図検査】
心エコー図検査は心臓病の診断・重症度評価を行うのにとても有用な検査法です。この検査法は動物が暴れないように横向きに保定して行うのが一般的ですが、心臓が悪い動物や呼吸が苦しい動物にとっては非常に負担になります。また横向きに保定されることをストレスに感じたりする子も少なくありません。本科では負担を少しでも減らすため、右図のように立ったままあるいは抱っこした状態で心エコー図検査を行なっています。

【低侵襲立位動脈血液ガス検査】
動脈血液ガス検査は呼吸が苦しそうな動物に対して行います。「肺でちゃんと酸素を取り込めているか?」を主に評価します。ヒトではパルスオキシメーターを用いて評価しますが、動物では体動や肌色の問題で評価できない場合があります。動脈血液ガス検査も通常は横向きに保定して行いますが、呼吸が苦しくならないよう本科では右図のように立ったままあるいは抱っこした状態で行っています。

治療に特化した代表的疾患
・肺高血圧症
肺高血圧症は失神や腹水などの症状を示す難治性の病気です。その原因は多岐にわたりますが、現在の獣医療では原因追求まで到達できずに亡くなってしまうことがほとんどです。肺高血圧症は原因疾患や重症度によって予後が大きく異なるため、原因を明確にすることは非常に大切です。
本科では①原因治療②難治性症例に対する治療③早期発見・早期治療に力を入れています。
①肺高血圧の原因として先天性心奇形、心臓弁膜症、呼吸器疾患や血栓塞栓症などが挙げられます。原因疾患を特定することでより正確な予後評価や治療戦略を立てることができますが、特殊な検査が必要となります。
②肺高血圧症の犬に対する治療としてシルデナフィルという薬の投与が一般的ですが、たびたびこのシルデナフィルが効かなくなってくる症例が存在します。そのような症例に対して本科では新規治療法の研究を行っています。この新規治療法により症状が著明に改善したことが海外の獣医学雑誌に掲載されました(Goya et al. Can. Vet. J. 2022)。
③症状を呈するようになった肺高血圧症は予後が非常に不良です。そこで本科では症状を呈する前に肺高血圧症を早期発見し、早期に治療を開始することを推奨しています。通常、肺高血圧症の診断には心臓超音波検査が行われますが、早期発見には心臓カテーテル検査が必要になることがあります。
