原発性脳腫瘍であるグリオーマ(glioma)に対して、IL12(インターロイキン12)による免疫療法の効果に関する研究を行っています。
【概要】
グリオーマ(神経膠腫)は、脳内の神経膠細胞由来の腫瘍で、星細胞系腫瘍、乏突起膠細胞腫瘍、上衣系腫瘍に大別され、さらに悪性度によってグレードⅠからⅣまでに分類されます。最も悪性度が高い腫瘍が膠芽腫です。イヌのグリオーマは原発性脳腫瘍のうち36-70%を占めると報告され、髄膜腫に次いで遭遇する機会が多い脳腫瘍です。診断される年齢の中央値が8歳、また50%以上がブルドッグ、ボクサーなどの短頭種です。グリオーマに対して、外科治療、放射線療法、化学療法などが行われているが、生存中央値が66−300日と報告されており、再発例に対する治療に関する報告も無い状況です。我々は、グリオーマの初発または再発例について、IL12の効果を調査します。
【適応症例】
参加できる動物:(以下の条件のどれか一つでも当てはまる方)
MRI検査または病理組織学的にグリオーマと診断された症例。(図-1 2-1)
MRI検査でグリオーマと診断され、外科治療または/ならびに放射線を行った後、再発した症例。(図-1 2-2)
参加できない動物:(以下の条件のどれか一つでも当てはまる方)
グリオーマ以外の疾患に罹患し、予後不良と判断した場合。
担当医が、対象犬の健康状態を考慮し、不適と判断した場合。
【治療薬について】
IL12は本邦での承認されていませんが、免疫細胞を活性化して腫瘍細胞を殺すタンパク質(インターロイキン)として知られています。IL-12は有毒なので、今回使用するIL12は、天然の形でこの薬剤を腫瘍コラーゲンに特異的に結合する別の分子(CBD)に結合させて、その効果を腫瘍に特異的にしました。この薬剤を再発性 GBM のマウスモデルでこの薬剤をテストし、非常に強力な抗腫瘍効果を発見し、生存期間が最大 260% 延長することを示しています。
【研究手順】

図-1
- MRI検査にてグリオーマと診断されたイヌ
- (1) 生検による病理組織検査でグリオーマと診断された場合、(2)外科または/および放射線治療を行い、再発が確認された場合。
- IL12を静脈投与(2回)
- 3ヶ月毎のMRI検査(18ヶ月まで)
【問い合わせ】
詳細・費用などについてお問い合わせは下記に連絡をください。
日本大学動物病院
神経科 北川勝人
0466-84-3900

これは見出しです
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。