血液病科

貧血、血液腫瘍、止血凝固異常症など血液疾患の診察を行っています

血液病科について

血液中の細胞には、赤血球、白血球、血小板があります。血液中のこれら細胞数は、通常は一定に保たれています。しかし、何らかの病気により、それらが増えたり、減ったり、もしくは形態のおかしな血球が血液中に認められるようになることがあります。また、血液の液体成分(血漿)の中には、血液凝固因子という血液を固めるタンパク質が含まれていますが、これが先天的に欠損する病気では異常出血を起こすことがあります。血液病科ではこのような血液細胞の数的・形態的な異常を生じる疾患、造血器腫瘍、そして、先天的な止血異常症に対する診察を行っています。

当診療科の診察対象となる主な疾患

  • 免疫介在性溶血性貧血
  • 非再生性免疫介在性貧血
  • 赤芽球癆
  • 再生不良性貧血
  • 免疫介在性好中球減少症
  • 免疫介在性血小板減少症
  • 急性白血病
  • 慢性白血病
  • 骨髄異形成症候群
  • 多中心型リンパ腫
  • 多発性骨髄腫
  • 血友病
  • von Willebrand病

骨髄穿刺について

血液細胞は主に骨髄で産生されます。血液細胞が持続的に減少もしくは増加、または造血器腫瘍が疑われるような場合には、骨髄の状態を調べるために上腕骨や大腿骨に注射針よりも少し太めの針を刺入して骨髄液や骨髄組織を採取し、それを顕微鏡で観察します。これが骨髄穿刺検査です。動物が動いてしまうと安全に検査が出来ないことと、痛みを伴う検査であることから、全身麻酔を施した上で検査を行う必要があります。また、検査針刺入部位は、感染予防のために剃毛し、手術に準ずる消毒を行います。そのため、検査部位の毛を刈らせていただくこと、消毒液による被毛に着色(オレンジ色)が生じることを予めご了承ください。発生頻度は非常に低いですが、検査により起こりうる合併症は、検査針刺入部の骨折、感染、神経の損傷などが挙げられます。

免疫介在性好中球減少症(犬)の骨髄塗抹(ライト・ギムザ染色)
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