当研究室ではこれまで,海遊館・JAMSTECと共同してジンベエザメの腸内細菌叢を16S rRNA遺伝子解析によって調べ,ウレアプラズマ属に関連する細菌が腸内で優占していることを明らかにしてきました(Microbes Environ. 2025).しかし,この細菌はこれまで培養されておらず,その性状は不明でした.今回,海遊館・JAMSTECとの共同研究により,ジンベエザメの糞便からこの細菌の分離培養に成功しました.そして分離株の全ゲノム解析および培養性状の解析を行った結果,本菌がウレアプラズマ属の新種であることを明らかにし,ジンベエザメの学名(Rhincodon typus)に因んで「Ureaplasma rhincodontis」と命名しました.これまで正式に命名されたウレアプラズマ属細菌はすべて恒温脊椎動物から分離されており,本菌は変温脊椎動物から初めて分離培養されたウレアプラズマ属細菌に位置付けられます.本研究成果は,微生物分類学の権威誌である「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology(IJSEM)」に公表されました.
なお本研究は,瀬川講師が代表を務めた日本大学令和5年度若手研究者助成金および公益財団法人 発酵研究所 一般研究助成の支援を受けて実施しました.

Ureaplasma rhincodontis sp. nov. isolated from the faeces of whale shark (Rhincodon typus)
Segawa T, Nakajima Y, Ito T, Saito Y, Kiyatake I, Yoshii Y, Itou T.
 Int J Syst Evol Microbiol. 2026