2025年5月24日,齋藤柚月さんが,ジンベエザメの腸内から新種のウレアプラズマ細菌を培養し,その共生関係を検討した成果を第52回日本マイコプラズマ学会にて口頭発表しました.発表は多くの研究者から注目を集め,活発な質疑応答が行われ盛況でした.齋藤さんは初めての学会発表でしたが,研究成果を分かりやすく説明し,専門家からの質問にも的確に答えており,研究に対する真摯な取り組みが印象的でした.
本研究では,世界で初めてジンベエザメの腸内から培養可能なウレアプラズマの分離に成功しました.分離された細菌(分離株名:TOSA-KAIYU)は,既知種との遺伝的類似度が低く,新種であることが確認されました.この細菌は高濃度尿素環境で最適な増殖を示し,ジンベエザメからのみ検出されるという宿主特異性を持っています.特に重要な発見は,このウレアプラズマがジンベエザメの体内浸透圧が低下した際に活発に増殖することです.これは,この細菌がジンベエザメの浸透圧調節機能に重要な役割を果たしている可能性を示しており,海洋生物と微生物の共生関係の新たな側面を明らかにする成果といえます.今後に期待です!

日本マイコプラズマ学会 https://plaza.umin.ac.jp/mycoplasma/

発表演題
ジンベエザメ腸内から分離した新種ウレアプラズマと共生関係の検討
齋藤 柚月1,瀬川 太雄1,中島 悠2,伊東 隆臣3,喜屋武 樹3,芳井 祐友3,伊藤 琢也1
1) 日本大学・生物資源科学部,2) 海洋研究開発機構・海洋機能利用部門,3) 大阪海遊館

Ureaplasma cetiの代謝産物から推定するイルカとの新たな共生関係
瀬川 太雄1,中島 悠2,古川 恭平3,佐藤 多美1,犬丸 皓貴1,村上 郁月1,伊藤 琢也1
1) 日本大学・生物資源科学部,2) 海洋研究開発機構・海洋機能利用部門,3) 名古屋大院・ 生命農学研究科

発表は倉敷で行いました!

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