骨の博物館

2021/10/27
★通学路のカツラ(桂)

駅から線路沿いに正門へ向かう途中
カツラの街路樹の並木があります。

街路樹のカツラ

そばを通りかかる時
甘い匂いを感じませんか?

不思議なことに
紅葉の時期のカツラは
いつもよい匂いを発しています。

もともとカツラは
関東では大学演習林のある
みなかみ町(群馬県)など
標高の高い場所の谷間に
生育する樹木です。

当地の街路樹は剪定で
高さが抑えられていますが
野生のカツラは時に20mを
超える大木になります。

黄色から橙に色づき
モミジの仲間にも引けを取らない
かわいらしい葉をつけます。

カツラの葉


2021/10/20
★チョウゲンボウとカラス

最近、本館の上部、日本大学の
看板辺りでカラス類が
しばしば騒いでいます。

騒ぐカラス類

気にしてみると
チョウゲンボウが付近に
とまっていることがあります。
カラス類とは仲が悪いのです。

またかん高く「キイーッ、キイーッ」と
鳴きながら飛んでいることもあります。

チョウゲンボウは、カラスよりも
スマートなハヤブサの仲間です。
他のハヤブサ類と同様
翼の先端が尖ってみえます。

チョウゲンボウ

チョウゲンボウは
時に器用な飛び方もします。
羽ばたきながら空中の一点に
留まります(ホバリング)。

ホバリングは、ノスリ,
ミサゴ(以上タカ科)や
カワセミなどでも見られますが
獲物の探索によいのでしょう。

みなホバリング後に急降下を
してハンティングします。

カワセミ

旧来の鳥類分類では、ハヤブサ類は
タカ類と近縁と考えられていましたが
近年の遺伝子解析に基づく分類では
スズメの仲間に近縁で
あることがわかりました。

タカもハヤブサも
小鳥を捕食するハンターとして
鋭い嘴と爪などを身につけますが
これらは同じ行動に適応して
進化をした結果、形態が似る
「収斂」(しゅうれん)と考えられます。

チョウゲンボウはタカの仲間の
ツミともよく似ていますね。

ツミ

チョウゲンボウは、この時期
田んぼ周辺でもよく見かけます。

稲の落穂に群がるスズメや
刈取り後に徘徊する虫などに
集まる小鳥類、大きめのバッタ等を
狙っているのではないかと思います。

この時期の田んぼは
様々な鳥でにぎやかです。
写真のノスリとダイサギは
稲刈り後の田んぼで
獲物を探していると思われます。

ノスリとダイサギ


2021/10/13
★線路沿いのお花畠

博物館の東に雑木林があり
さらに東側は草地となって
線路につづきます。

この一角に小さなお花畠を
発見しました。

カントウヨメナの群落

ここの主役は
カントウヨメナという
野菊の一種です。
カントウヨメナは
一見ノコンギクに似ますが
種子に長毛が生えません。

種子に長毛は生えません

さらに、その近くで
ノハラアザミを発見しました。

こちらは花はまだです。
花期に根生葉(タンポポの葉の
様に地際から生える葉)が
あることが特徴です。

ノハラアザミ

草地の一角には
トダシバの群落もありました。

トダシバの名は
昔、野生のサクラソウ生育地で
有名だった戸田ヶ原(埼玉県)に
因むといわれています。

トダシバの群落

これらの野草は
大学の出来る前から当地に
生育していたのでしょう。

街中でも観察できることは
素晴らしいことです。
毎年生えてくることを願っています。


2021/10/06
★旅鳥

日本で渡り鳥は
春に南から北へ
秋に北から南への
移動をしますが
ある地域において
渡りの時期だけ見られる種を
旅鳥と呼びます。

コムクドリは
本州では高原などの高所
北海道では低地で繁殖する
渡り鳥(夏鳥)ですが
初夏や秋の一時期
大学周辺等の低地でも
見ることができます。

コムクドリ

チュウサギも
石川や大庭の水田では
田植え前後の初夏の頃と
稲刈りの終わる秋に見かけます。

チュウサギ

これらは、藤沢市の石川や大庭と
いう狭い地域でみれば旅鳥ですが
国内で繁殖するので
日本の夏鳥になります。

神奈川県藤沢市

次のエゾビタキは
国内で繁殖をしない
(日本より北方で繁殖して南国へ渡る)
日本の旅鳥です。

エゾビタキ

渡りの時期には
普段見かけることの少ない種に
しばしば出会うことがあります。





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