骨の博物館

2021/03/31
★ヤナギ

大学を西側へ下ると,石川の広い水田地帯に
つきあたります。ここでは,水田以外にも
休耕地や遊水地などがあり,ヤナギの仲間
が生育しています。ちょうど今,ヤナギの
芽吹きと花のさかりです。

水田地帯のヤナギ

ヤナギの花は,一本の細い枝の周囲に多数の
花が密集してつき,全体が動物の尾を連想さ
せることから,尾状花序とよばれます。
さらにヤナギの仲間は,雌雄異株で,雄の木と
雌の木があり,それぞれ花の形態が異なります。

タチヤナギ雄株



タチヤナギ雄花

タチヤナギ雌花

ヤナギの仲間は,類似種が多くて同定が
難しいのですが,花の形態を観察できる
今は,識別のチャンスです。
花弁がなく地味な花ですが,昆虫が花粉を
媒介する植物(虫媒花)です。どんな昆虫
が集まるのか観察しても楽しいかもしれま
せんね。

2021/03/24
★ツバメ

3/20(春分の日)は暖かな一日で
ツバメを今年初めて見ました。見た場所は
横須賀市秋谷,佐島,長井,三浦市城ヶ島,
葉山町下山口の各所です。
本日3/24は大学に近い引地川でイワツバメの
小群を今年初めてみました。
引地川のイワツバメ

ニュースでは、今年のソメイヨシノの開花が
例年より早めと報道されていますが、ツバメ
の飛来日は例年通りです。
博物館前に2本あるオオシマザクラのうち
1本はほぼ満開です。高校前の並木のソメイ
ヨシノはまだこれからです。

博物館前のオオシマザクラ

2021/03/17
★博物館裏のタンポポ

博物館の裏にはちょっとした林があり、
毎年タンポポの花を楽しめます。(写真1)


小道の両側ほんの50mくらいの区間に
76個体の花をつけたタンポポがありました。
このうち17個体がカントウタンポポ、
59個体がセイヨウタンポポでした。

カントウタンポポの花(写真2)は
春期(3月~4月頃)に限られます。
カントウタンポポ

一方、セイヨウタンポポ(写真3)は
冬の厳冬期を除く一年中見られます。
セイヨウタンポポ

この日は暖かく、花にはハナアブ(写真4)
やハナバチの一種が訪れていました。
ハナアブの一種

同日、花を観察できた植物です。
図書館前のコブシ

10号館前のタチツボスミレ

博物館裏のキランソウ

2021/03/10
★オオジュリン 

一見、北海道の原野のようですが、大学の
近くの引地川の遊水地の一角です。こんな
良い環境を野鳥は見逃しません。

引地川遊水地

毎年冬期にオオジュリンというホオジロ
科の小鳥が越冬します。
これがオオジュリンです。
昨日数羽の群れに出会いました。
薄茶色の模様が、周りの風景と
同化していますね。

周囲と同化するオオジュリン

オオジュリンは、アシ原が大好きです。
どの鳥も垂直に伸びるアシの茎に器用
にとまり、葉の基部の筒状になっている
ところ(葉鞘:ようしょう)をつついて
壊しながら、中にいる小さな虫を食べます。
こんなにかわいい小鳥ですが、
中にいる虫にとっては、大変な脅威ですね。

葉鞘をつつくオオジュリン


2021/03/03
★新展示紹介 カサゴ

新しく展示物の仲間入りしたカサゴの標本
を紹介します。
カサゴは北海道南部以南の日本各地および
東シナ海の沿岸の岩礁域に生息します。

いままで、剥製のみの展示でしたが、

カサゴ(剥製)

新しく骨格標本がやってきました。

カサゴ(骨格標本)

骨格標本では、カサゴの特徴である
眼の周りの前から3番目の骨、
眼下骨棚(がんかこつほう)が頬を横切り
前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)まで達して
いることが確認できますね。

カサゴ(頭部骨格)

ちなみに、カサゴの増え方ですが、
メスのおなかの中で孵化した仔魚
(しぎょ)(体長3.5~4.5mm前後)が
11月から春にかけ産み出されます。
しばらく浮遊生活を送り、体長20mm
以上に成長してくると着底生活に
入っていきます。





2021年2月 博物館便り

2021年1月 博物館便り


2020年 博物館便り

2019年 博物館便り

2018年 博物館便り

2017年 博物館便り

2016年 博物館便り

musium