骨の博物館

2021/02/24
★オオバヤシャブシの花

この時期に花粉というとスギを思い浮か
べてしまいますが、スギの他にも春に花粉
を風に飛ばして受粉させる植物(風媒花)
がいくつかあります。オオバヤシャブシ
(カバノキ科)もその一つで、先日海岸林
で花をつけている木を見つけました。

オオバヤシャブシ

 一つの枝に雄花と雌花をつけていて、
雄花は大きくて垂れています。一方雌花
は、小さくて上を向いています。

オオバヤシャブシの雄花と雌花

 木をゆすっても花粉が飛ばないので
まだ未成熟なのかも知れません。
風媒花は、スギやマツなど多くの針葉樹
の他、本種の属するカバノキ科、ドングリ
をつけるブナ科、イネ科などいくつかのグ
ループで見られます。
 写真の博物館標本は近縁種のヤシャ
ブシでこちらには実がついています。
クリスマス・リースの材料としておなじみ
ですね。

ヤシャブシ標本

2021/02/18
★ネコザメ裏話

みなさん、こんにちは。
陽射しが春らしくなってきましたね。
先日公開した、ボランティア学生による
ミニ企画展第2弾はごらんいただけた
でしょうか?

動画にでてきたネコザメはふだん
柔らかい餌を食べており、アサリの
食べ方を忘れてしまったようです。

企画展では、乾燥したネコザメの卵殻
が展示されていましたが、
常設展示では、水にひたした状態の卵殻が
展示されています。(現在休館中)

ネコザメの卵殻

企画展の乾燥した卵殻と比較してみて
ください。

今日は、おまけ映像として博物館の
水槽にいるヒトデの仲間モミジガイの
パフォーマンスをお届けします。




動画右下の全画面マークを押すと
大きな画面でご覧いただけます。

ミニ企画展第1弾の「俺のヒトデ★」
も合わせてご覧ください。

ミニ展

2021/02/10
★鳥のフン

博物館の入口には一見何もないのですが,
よく鳥のフンが落ちています。
骨の博物館 鳥のフン1 鳥のフン2

2/3から2/9までの一週間で18個のフンを拾い
ました。せっかくなので,これらをシャーレの
中で水に溶かして,内容物を調べてみました。
18個のうち7個からは何らかの植物の種子を見つ
けることができました。まだ何の種子か調べて
おりませんが,少なくとも3種の植物が別々のフン
から出てきました。

不明種子1 不明種子2 不明種子3

いったい誰のフンでしょうか。
自然探偵鑑識課では,博物館の周辺でよく見かける
鳥の容疑者をあげてみました。

キジバト シロハラ ツグミ
ヒヨドリ ムクドリ メジロ

これらのフンは,1種だけがしたフンでしょうか。
なぜ,ここにだけフンがたくさんあるのでしょうか。
博物館の入口をよく見ると,階段からわずかに水が
しみ出していますので,もしかしたら鳥たちは水を
飲みに集まっているのかもしれません。

博物館の入り口階段

フンや足跡,羽毛や毛など動物が自然界で活動した
痕跡をフィールドサインと呼びます。これらから
動物の行動を推測するのは,楽しいことです。

(フンの採取,分析は,鳥インフルエンザ感染予防
対策を施し行っております)

2021/02/03
★立春

今日は立春です。まだ寒い日が続きますが、
それでも生き物の世界には変化がみられます。
1、2週間以内にはウグイスがさえずり始めます。
これは博物館標本のウグイスです。
鶯色というオリーブ色に似た色がありますが、
ウグイスの羽根の色に似ていませんね。
ウグイス

こちらがメジロです。こちらの方が鶯色に近い
ですね。


「梅に鶯」は、取り合わせのよいものの例えですが、
実際のウグイスは笹やぶが大好きで、ウメの花の
咲くような開けた環境は好きでありません。
一方メジロは花蜜が大好物で、しばしば長時間
滞在して蜜を吸います。昔の人はメジロとウグイス
を混同してしまっている様です。
つい先日も、早咲きのサトザクラの花にメジロが
訪れていました。
サトザクラメジロとメジロ

大学の構内では、ウグイスとメジロどちらも見られ
ます。
みなさんのおうちの近くにもいるかもしれませんね。

musium