
倒木や落葉落枝には、窒素よりも炭素が多く含まれているため、微生物により分解される速度が遅いという性質があります。これらは洪水で大量に移動しますが、海へ流れる前に谷戸(丘陵地が浸食されてつくられた谷状の地)、芦原、干潟などに留まることも珍しくありません。
そうした土地に留まることで、倒木や落葉落枝は、ゆっくりと分解される時間ができます。
それらが分解されることで、豊かな栄養塩が生成されます。栄養塩は下流域や海へ溶存態などとして流れていき、それぞれの場所での生産を助けることになります。また、栄養塩が残された優良な生産の場となる谷戸は、生態系の維持という面でも重要な土地といえます。