
降雨によって、山地の斜面から土砂が落ちて河川に入り、海へと流れることを「流砂系」といいます。薪や木炭から石油や電気に移行して人間が山から離れることで、森は自然豊かになっています。それによって土砂移動の程度も大きく減少しています。
かつての高度経済成長期には、日本中で建設の需要が大きかったために、川砂利を掘削して建設材料として利用することなども盛んに行われていました。その後、山地に続々と山腹工事やダムなどが建設されました。これらは、土砂の流出を抑制し、海への土砂の供給に大きく影響します。数十年の時間差を経て近年に、海岸線を大きく後退させた場所が全国各地に存在します。