攪乱の話

洪水が川岸を削り、土砂をかき混ぜ運ぶことで新しい植物が生息する場所がつくられる

激しい降雨で洪水が起こると、川辺の土壌が削られ河川の流路が変わることがあります。それに伴い樹木が水没したり、倒木が生じたりします。また、山地の斜面で崩壊が起こり根こそぎ土壌が流され、草木のない裸地面が露出することもあります【図7】。

こうした現象は、すでに生えている樹木たちには大きなダメージを与えます。けれども、このような場所には、新たに根づき、生育する植物が出てきます。時折、適度な範囲内で起こる自然による攪乱が、豊かな生物相(特定の地域における生物の種の総体)を維持し、新しい生態系が構築されるチャンスを生むのです。

  • 図7 適当な攪乱が生態系に重要