水源の森が水を貯める

大雨でも、森林が「緑のダム」になり“多すぎず少なすぎず” 水量を調整

固い土壌に1 日に数百ミリほどの大雨が降ると、洪水になることがあります。ところが森林土壌ならば一度に多量の雨水が降り注いでも、それを浸透させることができます。それにより水の流出を平準化し、洪水のピークを遅らせることができるのです。
もちろん1 日に数十ミリぐらいの降雨でも森林土壌は水を浸透させ、流出を緩和します。そこで貯められた水は、雨が降らない時にゆっくりと流出し、渇水を防ぎます。

森林がダムのような働きをするのは、まず、表層にある森林土壌の土粒子の表面を、浸透水がきわめて遅い速度でつたっていくからです【図3】。そして、その浸透水は山の内部にある割れ目に入ります【図4】。さらにこの内部浸透水は、土中深部の硬い地層に触れることで、ミネラルたっぷりの地下水になり、時に地表に湧き出します。

  • 図3 土壌の浸透
  • 図4 山体への浸透