実は現在、産休で子育てに専念しています。産休前は商品企画の仕事をしていました。
理科、それも生物や植物が好きという漠然とした思いがあって、その延長線上で大学進学を考えていました。そんなとき、文系でも志望する道に進める食品経済学科を知りました。私、文系人間でしたから、これはいいと(笑)結果としては、思いどおりの道に進むことができましたね。
学生時代に、製造や流通など、さまざまな食品製造の現場を知ることができました。そのなかの経験から、将来は“物を作る”仕事がしたいと考えるようになっていきました。もともと乳製品が好きだったこともあって、現在の会社を希望し、商品企画というやりがいも手応えもある仕事に就くことができたのです。
大学時代には陸上部に所属していて、思いもよらずフルマラソンに挑戦する機会がありました。とても走りきれないと考えていたのですが、4時間ほどで完走することができた。そこで得た自信みたいなものが財産になったのだと思います。社会に出てもやっていけると妙な自信がありました。厳しい仕事でも成し遂げることができたのは、そんな経験があったからだと思います。
食品業界の上流から下流まで、様々なプロセスを知ることができたのは、大きな経験でした。有機農業を体験した夏のフィールドリサーチなど、いろいろな視点を身につけることができました。食品経済学科は、ポジティブな姿勢で取り組めば、どんどん吸収できる環境にあったということだと思います。
ゼミが終ったあとは、先生方も参加して飲み会になることも多かったですね。おかげで、お酒も飲めるようになりました(笑)。そんな席で、学問のこと、将来のこと、いろいろな話ができました。先生方を身近に感じることもできました。
私の時代は、就職氷河期とも言われた時期で、それでも志望する企業に就職できたのは、大学で学んだことが評価されたのだと思います。製造から流通という、様々な選択肢のなかで、自分の人生や将来を考えることもできました。確かに、有利だったと思います。
しばらくして仕事に復帰する予定ですが、具体的にどんなかたちで復帰するのかは思案中です。今までの商品企画ではなく、まったく新しい仕事にチャレンジをするのもいいなと考えています。
学生時代の4年間は、自分の将来を考える時間だと思います。その間に、自分の方向性をみつける。その意味でも、私の場合、いろいろな角度から食品業界を学ぶチャンスがある食品経済学科に進んだことは正解でした。自分から積極的に何かを得ようとしてください。必ず、自分の力になってくれます。受験は精神的も肉体的にもたいへんですが、自分の未来を切り開くためにも、頑張ってください。