作物研究グループは、COE海外研究拠点をタイ国Nakhon
Nayok ProvinceのBanna Experimental Station for Royal
Acid Sulfate Soil Projectにおくこととし(写真1,2)、平成16年12月上旬にその設営が開始された。設営は、現地に常駐するCOEポスドク研究員姜東鎮氏を中心に行われ、平成17年2月には拠点設営の基本部分を終了させた。現在、研究拠点における土壌の特性調査、試験圃場の整備、実験室や水耕装置のセットアップなどが完了している。
Banna 試験場は、首都Bangkokから東北東約100 Km離れた所にある。この地域の土壌はOld
acid sulfate soilと呼ばれ、タイ国内のもう一つの酸性硫酸塩土壌地帯であるNarathiwat
ProvinceのYoung acid sulfate soilと区別される。 このNakhon
Nayok地方の主な作物はイネであるが、pHが3〜4という強い酸性土壌を石灰施用に
よって矯正することで栽培が可能になっている。この地方のイネは5月に移植し、
12〜1月に収穫するといった雨季栽培が一般的で、雨季栽培は全体の稲作面積の90%
を占めている (図1)。
平成17年度に行う予定の実験は、つぎのようなものである。
1.Nakhon Nayok地方における酸性硫酸塩土壌耐性品種を同定するため、イネ300品種、NERICA(New
Rice for Africa)30系統、野生ダイズ(Glycine soja) 500系統についての耐性試験を圃場条件下で行う(写真3)。
2.酸性硫酸塩土壌耐性の新たな簡易選抜法を確立させ、低pH、アルミニウム(Al)および鉄(Fe)過剰条件下で上記作物を生育させ、特に、野生ダイズとNERICAの耐性機構を探る。
3.この地域で栽培されている各種の作物におけるAM菌の分布を調べ、酸性硫酸塩土壌におけるAM菌の生態的意義を検討する。
4.さらに、ダイズをはじめとする5種類の作物を石灰施用区と非施用区で生育させ、AM菌の感染に及ぼす酸性硫酸塩土壌(pH
2.9−3.1)の影響を調べる(写真4)。
(姜 東鎮、磯部勝孝、石井龍一)
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| 図1. Nakhon
Nayok地方の気象条件 |
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| 写真1. ナコンナヨ Banna
試験場 |
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| 写真2. Banna農業試験場内の実験圃場 |
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| 写真3. 水稲品種の増殖の様子 |
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| 写真4. AM菌調査圃場 |
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