環境適応生物を活用する環境修復技術の開発 日本大学21世紀COEプログラム
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研究日記

2006年8月の調査日記(タイ・ナコンナヨック)

 平成18年8月21日から27日までタイ国ナコンナヨック県Banna Experimental Station for Royal Acid Sulfate Soil Projectへ調査に行きました。
 前回6月の調査で酸性硫酸塩土壌に植栽した樹木の生残を確認し、成長を測定しました。植栽した樹木のうち6から8割程度の個体が根付いていました。樹高にまだ大きな変化はありませんでしたが、新しい葉が展開している個体が多数見られました。試験地の土壌溶液のpHは3.5程度と非常に低く、Shorea roxburghiiなどの樹木がなぜこのような過酷な環境でも生きていけるのかを日本国内の実験室で調べています。
(COE研究員 田原恒)

植栽試験地で議論をする佐々木拠点リーダー(手前左)

新しい葉が展開したShorea roxburghii

18th World Congress of Soil Scienceで報告しました

 平成18年7月9日〜15日に18th World Congress of Soil Science(Philadelphia、PA、USA)が開催されました。この学会は、4年に1回毎にIUSS(International Union of Soil Science)が主催する国際学会で、世界105カ国から2000人を上回る研究者が参加していました。
 今大会より植物科学分野の発表の場として“Plant Response and Adaptation to Ionic Stresses”というシンポジウムが併設されました。そこで、これまでの本COEプログラムでの研究成果を“Functional analysis of adaptation of plants to strongly acidic soil”としてまとめ発表しました。世界の研究者を前にした研究成果の発表、また学会を通じた様々な人々との交流を経験することができ、非常に充実した一週間でした。
(COE研究員 加島洋亨)

緊張しながらのOral Presentation

現地で知り合った若手研究者との記念撮影

2006年6月の調査日記(タイ・ナコンナヨック)

 平成18年6月6日から13日までタイ国ナコンナヨック県Banna Experimental Station for Royal Acid Sulfate Soil Projectへ調査に行きました。
 前回4月の調査で選定した酸性硫酸塩土壌の荒廃地に、タイ国王立森林局の協力の下、フタバガキ科のHopea odorataShorea roxburghii、マメ科のAcacia mangium、フトモモ科のMelaleuca cajuputiの4種の樹木を植栽しました。今後、植栽木の生残や成長などを追っていく予定です。
(COE研究員 田原恒、加島洋亨)

木を植える若き研究者たち

植栽直後の試験地

2006年4月の調査日記(タイ・ナコンナヨック)

 平成18年4月27日から5月3日まで、タイ国ナコンナヨック県Banna ExperimentalStation for Royal Acid Sulfate Soil Projectへ調査に行きました。
 酸性硫酸塩土壌では、写真のように草木のほとんど生えない荒廃地になっているところが見られます。樹木による環境修復の事例を示すため、Banna ExperimentalStation内の酸性硫酸塩土壌において植栽試験を行う予定です。今回の調査では植栽試験の候補地を選定しました。雨季に入った6月に樹木の植栽をする予定です。
(COE研究員 田原恒)

酸性硫酸塩土壌の荒廃地(植栽試験予定地)
2006年3月の調査日記(タイ・ナコンナヨック)
 平成18年3月に、タイの酸性硫酸塩土壌地帯の現状を調べてきました。
 私たちが問題視しているように、同土壌地帯ではまともな作物生産は期待できません。適地適作の観点から、一般的な作物ではなく、牧草としてvetiver grassを栽培している場所がありました(写真1)。刈り取った草は細かく切って(写真2)ビニル袋に詰めて発酵させ(写真3)、ウシの飼料としています。ウシはガリガリにやせていました(写真4)。エサの栄養価が低いのでしょう。魚の養殖池もありますが(写真5)、ご多分に漏れず硫酸根の影響により水は酸性化するため、時々水を抜いて石灰を撒いています(写真6)。果たして抜いた水はどうなってしまうのでしょうか。
ところで酸性硫酸塩土壌の研究施設では、種々の環境条件に耐性を持つ上述のvetiver grassを栽培し、乾燥させて(写真7)ゴザなどを編む(写真8)試みも行っていました。
(野口 章)

国際結晶学会(イタリア・フィレンツェ)で報告しました

 2005年8月21日〜9月1日、3年に一度開催される国際結晶学会にてポスター発表を行いました。我々は光合成電子伝達タンパク質である「シトクロムc6」の立体構造と構造安定性に関して発表しました。発表では、欧米の研究者とディスカッションを通じ、海外の研究者の研究の進め方、考え方、 積極的発言などを知ることができました。また、硫酸代謝関連酵素の構造解析を行っていたブラジルとイタリアの研究者と意見を交換し、良い刺激を受けました。
(奥 忠武、COE研究員 千田浩隆)

学会の看板(バッソ城塞正門)

発表風景

ベトナム・メコンデルタ農家インタビュー調査の旅―Hoa An村の暖かい「娯楽」に触れて―

 平成17年8月1日から8月25日にかけて,海外研究サイトの1つであるベトナム・メコンデルタHoa An村に出張しました。 この日記では,農村で体験した,ちょっと特別な娯楽について紹介したいと思います。

 Hoa An村は,メコンデルタ最大の都市Can Tho市からおよそ50km離れた農村です。農村というと一般的に円形の集落 を想像しますが,この村は,各世帯が街道と運河沿いに直線的に並んでおり,比較的大きい市場からバス停留所までの間に位置しています。

 この村の娯楽施設は,ビリヤード台を備えたキオスクで昼下がりを過ごすというのが一般的です。大人は,(とても濃い) ベトナム・コーヒーを飲みながらハンモックに揺られて昼寝をする。子供は,ビリヤードに興じていました。しかし,珍 客(日本人研究者)が訪れると,少しだけ特別な娯楽が催されます。これは一見ただの酒盛りに見えますが,卓上に供され ている食事は,この農家が飼っている大切な鶏です。一般的にどこの農家でも鶏やアヒルを飼っていますが,自家消費す ることはほとんどありません。しかし,珍客のために一羽つぶしてくれた,と言うわけで特別なのです。また,卓上に見 えるビールも大変貴重なものです(経済的に1人1本が限界です)。

 私達は,貴重な鶏を肴に,ペプシのペットボトルに入ったライス・ワインを飲みながら色々な話をしました。この場に は,農民,政府の役人,通訳,ドライバー,日本人研究者と様々な参加者がいました。しかし不思議なことに,全く違和 感なく,コメ生産の話からベトナム戦争の話まで取りとめもなく議論が続きました。この経験は,私の農村調査における とても大切な経験となりました。

 さて,もう一枚に目を向けると,女性達がお団子をこねています。実は,この頃は国慶節から中秋節にかけてのお祭りにむけて,女性陣は準備に追われているのです。都市部では,月餅(ムーンケイク)を買っておしまいです。しかし, 農村では隣近所に配る分も合わせて,かなりの量を(もちろん手作りで)作るので,重労働なのです。裏では,男達が酒盛 りをしていることを考えると,ベトナムの女性は良妻賢母の鏡と言えるのでしょうか?

余談1 ビールをご馳走になったので,鶏代は私が支払いました(日本円で約400円/1羽)。
余談2 特記なき情報によれば,ベトナムの女性は物凄くしっかりしている(怖い)そうです。
(COE研究員 山下哲平)

特別?な酒盛り

お祭りの準備

海南島 −東洋のハワイ・南海の楽園・海洋の真珠!?−

 平成17年2月28日から3月4日にかけて、研究打合せと現地調査をおこなうために海外研究サイトの一つである中国海南島に出張しました。

 海南島は広東省の南に浮かぶ九州ほどの面積の島であり、トンキン湾を挟んだ反対側はベトナムです。 緯度はハワイとほぼ同じ。気候は亜熱帯性。観光経済特区に指定され、南端の三亜市の長い長い海岸線 には大型ホテルが立ち並び、一大リゾート地になっています。「東洋のハワイ・南海の楽園・海洋の真珠、 三亜市へようこそ!」、「白砂のビーチ、エメラルドグリーンの海でマリンスポーツを!」とのコピーに 心ひかれつつも、強靭な意志(?)で調査にいそしんできました。いずれバカンスに訪れることもあるでしょう‥‥かな? 心身リフレッシュして研究パワーを充電するのもいいかもしれませんね。
(野口 章)
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