環境適応生物を活用する環境修復技術の開発 日本大学21世紀COEプログラム
home メッセージ 概要 研究内容 海外拠点 研究日記
COEトップ
拠点リーダーメッセージ
拠点リーダー
佐々木 惠彦
◎日本大学教授

21世紀COEプログラム「環境適応生物を活用する環境修復技術の開発」
 平成15年度の「21世紀COEプログラム」に 学際・複合・新領域分野で採択されたこのプログラムは、世界に1,000万ヘクタール以上存在するといわれている酸性硫酸塩土壌を対象としています。 酸性硫酸塩土壌が分布する地域では、土壌の酸性化が急速に起こり、 土地の生産力が低下し、最終的には不毛な土地となります。 酸性硫酸塩土壌は地域的な広がりも大きく、このような土地を再生するためには、 酸性硫酸塩土壌に適応して生育・生息する生物を用いて環境を修復する手法を開発することが重要です。


 まず、現在問題になっている酸性硫酸塩土壌の分布と広がりを明らかにし、潜在的な酸性硫酸塩土壌の分布と 面積を推定することが必要です。この成果を得ることによって、農地開発適地・不適地を 評価することや、これまで開発された農地の実体を知ることができます。また、土壌が還元状態か酸化状態かによって、硫黄の状態がどう変化するかを明らかにします。 そして、その変化と硫黄細菌との関係を明らかにして、利用可能な硫黄細菌を探索し、それらを利用して硫酸塩土壌を改良する研究、特に、微生物と植物の共生関係を利用する方法を開発することが重要と考えています。さらに、基礎的な研究として、 酸性硫酸塩土壌に適応して生育する生物の適応機構を明らかにすることが必要です。こうした機構を明らかに することによって、生物による環境修復技術の進歩を促し、 技術的な改良が可能になると考えています。


 一方、そこに住む住民の生産活動や経済活動が 問題土壌地域の環境に大きく影響を与えていることを認識しなければなりません。したがって、地域の住民の意向を充分に把握し、こうした土地で何をしたいのかを知り、住民のコンセンサスを得ることが重要です。また、地域住民の生産活動や経済活動が環境に与える影響を評価し、環境教育を含めた住民への啓蒙が必要です。さらに、地域の環境を改善するためには、地方公共団体や政府の政策と地元住民との意思の摺り合わせが必要ですし、自然科学的な修復技術の普及には、地方政府や地域住民が修復事業へ積極的に参加することも必要となります。そのためには、自然科学、人文科学、社会科学など全方位的な論議を行い、普及方法を検討しなければなりません。


  このように本プログラムは、自然科学と社会科学を融合させた新しい環境学を構築するもので、21世紀における最重要課題の一つと考えています。
Copyright 2005 Nihon University All Rights Reserved.