17号地の畑は、キャンパス最南端の「善行-六会道路」の西側にあります。道路沿いの細長い底辺の短い三角形状で面積は約100坪ほどです。周囲には水の供給施設がないので不便を強いられています。これまでは、リヤカーで水を運搬したり、会員のご好意により軽トラックにより貯水タンクへ水を運搬してもらうなどして対応していました。今回、小林会員が降雨を集水する装置を作製しました。降雨をタンクへ貯水する方法はいくつかありますが、場所が道路沿いの歩道脇でもあり、先ず安全性を第一にしなければなりません。制約条件の中で、考案されたのが、写真に示すように、タンクの上部に不透水性の布を使用し、下の貯水タンクへ降雨を流し込む方式です。布を支えるのは4本の鉄パイプです。これなら万が一の時でも、布が壊れる程度で、被害は最小限に収まります。集水布の面積は約2㎡のロート状で、集水は直接貯水タンクへ導入される方式です。タンクの蒸発を押さえるためと異物の混入防止用のビニールの覆いが繊細な作りになっています。藤沢市周辺の年間降水量は約1529ミリです。2㎡の集水布の面積への降雨量は年間貯水量は約3トンになります。このうち30%程度がこぼれたりする率、加えて蒸発率を10%とすれば1.529mm×2㎡×0.7×0.9=1.93㎥(トン)の水を利用できることになります。降雨の降り始めからの雨量が100ミリに達しますと、2㎡×0.1m=0.2㎥、即ち200リットル×0.63=126リットルを貯水できる計算になります。藤沢周辺は7月8月の2か月で約280ミリ雨が降ります。2㎡×0.28m×0.63=0.35㎥。夏の2か月で350リットルを貯水する計算になります。この装置の機能の発揮により、育苗や栽培時の水の心配がなくなり、重労働からも解放されることが期待されます。

写真:機能発揮が期待される17号地の降雨集水装置(2024年7月5日)