生命農学科の魅力と取組みを発信
生命農学科通信 vol. 53「生命農学科の研究紹介~土壌微生物の環境適応機能の応用に向けた問題土壌修復・浄化に関する研究~」
土壌微生物の環境適応機能の応用に向けた問題土壌修復・浄化に関する研究
農業では肥料や農薬の多用により、自然環境や生態系が破壊され農作物が汚染され深刻な問題が生じています。そこで自然生態系と調和しながら持続的に行われる農業技術の開発や土壌微生物を利用した環境浄化や修復技術が注目されています。
土壌微生物(菌根菌)胞子
土壌微生物(菌根菌)が感染した植物根内
私たちの研究チームでは、土壌微生物の1種であるアーバスキュラー菌根菌は,植物の根に共生することで,土壌中の重金属吸収を促進することが知られています.“食料生産の基盤となる問題土壌”への“土壌微生物の実態調査や環境適応機能”を解析し,“問題土壌の修復・浄化”へ応用しようとしています。このような知見が将来、土壌微生物を活用した“バイオレメディエーション”の実現に繋がっていきます。
セシウム汚染土壌で栽培された植物根内のAM菌のバンドパターン写真.
セシウム汚染農地での作業風景.
こちらが実際の福島県の放射性セシウム汚染土壌下のAM菌の実態調査に関する研究発表論文です。
First report of community dynamics of arbuscular mycorrhizal fungi in radiocesium degradation lands after the Fukushima-Daiichi Nuclear disaster in Japan.
Scientific Reports 9, 8240 (2019).
https://doi.org/10.1038/s41598-019-44665-7
この研究を行った教員
肥後昌男 作物科学研究室
日本大学生物資源科学部卒業
日本大学大学院生物資源科学研究科博士課程
ネブラスカ州立大学 土壌微生物生態学研究室 客員研究員
日本大学生物資源科学部 専任講師(現職)
☆生命農学科公式HP
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~
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2021年3月2日