生命農学科の魅力と取組みを発信
生命農学科通信 vol. 50「植物成長促進のキープレーヤー」
生命農学科は、生物資源科学部の中で最も歴史の長い学科です(1943年に農学科として発足)。
植物資源科学科の時代を経て、2015年に現在の生命農学科となり、最新の農学にフィットしたカリキュラムに一新されました。
近年では、国立大学や海外の大学で最先端の農学研究を実践してきた30代の若手教員を多く招聘し、当学科は研究・教育両面でホットな時期を迎えています!!
そこで、生命農学科の若手教員を中心として、研究内容の紹介をしていきたいと思います!
研究紹介
肥後昌男 作物科学研究室
日本大学生物資源科学部卒業
日本大学大学院生物資源科学研究科博士課程
ネブラスカ州立大学 土壌微生物生態学研究室 客員研究員
日本大学生物資源科学部 専任講師(現職)
根圏土壌微生物の網羅的解析から“植物成長促進のキープレーヤー”の探索
食料生産はいつの時代も、とても注目されている分野ですが、その食料生産においても「ゲノム」という用語を様々な場面でよく耳にします。「ゲノム」とは、簡単に言うと「その生物の設計図」といえます。農業でも当然ゲノムが関わってくることがあり、その例として1つは「植物のゲノム」、もう1つは生育に間接的に支える「土壌微生物のゲノム」が挙げられます。特に、土の中には1g当たり1億~100億匹の微生物が存在し、この多種多様な“土壌微生物の集団”は、植物に発生する病気を抑え栄養の吸収を助けることなどにより、“食料の安定生産”に寄与しています。この土壌微生物集団の中でも“アーバスキュラー菌根菌(AM菌)”の植物成長促進機能は、作物種や栽培管理に強い影響を受けます。こうしたAM菌を含めた土壌微生物と作物の相互関係は、土壌、気候など複雑な環境条件下によって決まると考えられます。私たちの研究チームでは、“食料生産の基盤となる作物”の生育を支える“中核となる微生物集団”や“微生物機能の遺伝子解析”を“次世代シーケンス解析”などから解析し,得られたデータを“分子生態学的観点”から解明しようとしています。このような知見が将来、土壌微生物群集の働きを強化する栽培管理や中核微生物を活用した“低環境負荷”の“持続可能な食料生産”の実現に繋がっていきます。
研究アプローチ概要
土壌微生物の群集構造解析用のリアルタイムPCR装置と次世代シーケンサー
☆生命農学科公式HP
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~
☆生命農学科 公式Instgram
https://www.instagram.com/
2021年2月26日