データの集計

標準誤差の計算

標準誤差(Standard error)を計算してみましょう。

標準誤差はS.E..=S/貧  S=標準偏差

標準偏差をデータ点数の平方根で割ったものです。

エクセルは標準誤差を直接計算できる関数は用意されていませんが、標準偏差とデータ点数を数える関数は用意されているので、両者を組み合わせることによりS.E.を計算させることができます。利用する関数は

母集団の標準偏差を計算する関数"=stdevp(データ範囲)"

セル範囲に含まれるデータ数を数える関数"=count(データ範囲)"

平方根を計算する関数"=sqrt(データ範囲)"

の3つです。そして、これらの関数を組み合わせて、ひとつのセルに同時に書き込むことによりその結果を表示することができます。具体的には

=stdevp(データ範囲)/sqrt(count(データ範囲))

とすればよいのです。

平均値の計算では「挿入」−「関数」コマンドを使って、セルに関数を入力しましたが、セルに直接関数を入力することもできるので、この方法で関数を入力してみます。

下図のように、標準誤差を計算させるセル(M23)を選択し半角で"=stdevp("までを入力したら、そのデータ範囲をマウスで選択します。すると、その範囲が自動的にセル内に書き込まれます。

つづいて、")/sqrt(count("と入力したら、マウスでデータ範囲を同じように選択します。

そして、括弧を2つ”))”入力して式を完成させ、Enterキーを押すと、その結果がセルに表示されます。

これらの操作を全てのセルに行えば良いわけですが、面倒なのでコピーと貼り付けを行います。

先ほど関数を入れたセルを選択し、それをコピーしたら、その下3つのセルを選択後、貼り付けボタンを押してください。すると、先ほどの数式がM24,M25,M26のセルにコピーされました。

新しくコピーされた三つのセルに数値が表示されていますが、この数値は正しくありません。なぜなら、データが表示されている表の配列と、計算結果を算出する表の配列が1対1に対応していないため、データ範囲が正しく選択されていないからです。

それでは、データ範囲を確認してみましょう。カーソルをM18に移してください。すると、ワークシートの上に"=STDEVP(M4:M6)/SQRT(COUNT(M4:M6))"と表示されています。この(M4:M6)の部分がデータ範囲を示すのですが、より画面上でわかりやすくするために、2つの(M4:M6)のどちらでもかまいませんから、(M4:M6)のカッコ内のどこかを、マウスでクリックしてください。すると、下図のように、現在選択されているデータ範囲がカラーの枠で選択されています。

この標準誤差は20℃-0.4Mpaのもののはずですが、データの選択範囲は20℃0Mpaの繰り返し2から20℃-0.4Mpaの繰り返し1までとなっています。

データの選択範囲を修正します。上の図のような画面になっていることを確認したら、青い枠の端の部分にマウスカーソルを置き、マウスの左ボタンを押したままその枠を正しい位置に移動させます。すると、先ほどわからなかった緑色の枠も現れるので、それも同様の操作を行って正しい場所に移動させてください。この枠の色とデータ範囲を示す文字の色は対応しています。また、枠を移動させると数式内のデータ範囲も自動的に変更されます。

M25とM26のセルも同様に修正してください。

これで処理1日後の標準誤差が全て計算されたので、平均値の計算で行ったように、2、3、5、6日後のセルに1日後の数式をコピーします。

具体的には、M23からM26の範囲を選択したら、

貼り付け対象となるセル範囲の一行目だけを範囲指定し、そこで貼り付けボタンを押します。

すると、残り全てのセルに数式がコピーされ、正しい計算結果が表示されました。このコピーではコピー元と貼り付け先が1対1に対応しているので、数式を修正する必要はありません。

表示された結果は、小数点以下を揃えたほうが見やすいので、セルの書式を変更します。標準誤差を計算させたセルを全て選択し、選択範囲内でマウスの右ボタンをクリックしてください。すると、下図のように、メニューが現れるのでその中の「セルの書式設定」を選択してください。

このようなメニューが現れるので、この中の「数値」をクリックして、小数点以下の桁数を「1」としてOKボタンを押してください。

すると、下図のようにセルの書式が小数点以下一桁に揃えられました。