当研究室では、モノづくりに必要な加工機器ならびに、物質の物性評価に必要な様々な実験装置を所有しております。超臨界二酸化炭素を溶媒とした抽出分離装置、酵素反応装置など、装置自体を研究室でデザインし製作依頼したものも多数存在します。
ここでは、研究室の特色となる代表的な装置をいくつかご紹介します。
- ●超臨界二酸化炭素 抽出分離装置、酵素反応装置
- ●ファインバブル発生装置
- ●動的粘弾性測定装置(回転型レオメータ)
- ●回転式 粘度計、音叉式 粘度計
- ●カールフィッシャ水分定量装置
- ●水分活性測定装置
- ●固体真密度測定装置
- ●示差走査熱量計(DSC)
- ●レーザー回折 粒径分布測定装置
- ●接触角、動的滑落角、界面張力測定装置
- ●誘電率測定装置(ケミカルインピーダンスアナライザ)
- ●熱伝導率測定装置
- ●熱流束測定装置
- ●製パン用電熱オーブン、ホイロ
- ●偏光蛍光光度計
- ●可視紫外分光光度計
- ●棚温可変真空凍結乾燥器
- ●超音波発生装置(ホモジナイザ)
- ●機械的強度測定装置(レオメータ)
- ●分光測色計
- ●ガスクロマトグラフ
- ●高速液体クロマトグラフ など
① 超臨界二酸化炭素抽出分離装置
② 超臨界二酸化炭素酵素反応装置 二酸化炭素の臨界点は、温度31.1℃、圧力7.38MPa(72.8気圧)であり比較的温和な条件で臨界状態となります。この臨界点を越えた流体を超臨界流体といい、気体と液体の両方の性格を持った状態になります。当研究室では、超臨界二酸化炭素を溶媒として用い、疎水性物質の抽出や酵素反応の場として用いる研究をしています。温度と圧力の組み合わせで、溶媒の特性を変えられることができ、抽出後も残存毒性がないクリーンなプロセス設計が可能となります。超臨界二酸化炭素抽出分離装置(500mL) この装置は抽出容器が500mLと比較的大きく、温度勾配を掛けることのできるカラムや低圧分取容器などを備えています。また、分取物を直接オンラインで分析装置に送り出すこともでき、効率的な抽出条件を探索するのに役立っています。
動的粘弾性測定装置(回転型レオメータ) 回転型レオメータは、粘弾性を持ったサンプルにずり応力を与えることにより流動挙動の解析を行う装置です。物質が液体的に振る舞うのか、固体的に振る舞うのかを簡単に評価することができます。また、周波数を与えた振動測定を行うことにより、構造分析も可能となります。温調器も備わっており、温度を変化させたときの挙動も重要なデータとなります。
① 回転型 粘度計
② 音叉振動式 粘度計 液体の粘性係数(粘度)は、基本的な物性値であり精度良く測定することが求められます。回転型粘度計は、絶対粘度を正確に求めることができ、また温度を変化させた時の粘性変化も精度良く測定ができます。音叉振動式の測定装置は、サンプル量が少量で済むため貴重な試料の測定に役立っています。① カールフィッシャ水分定量装置
② 水分活性測定装置 食品は生体由来資源を原料としているため、水と必ず関わりがあります。カールフィッシャ水分計は、ごく微量な水分でも測定することができ、例えば油中に存在する水分の測定も可能となります。水分活性とは、試料が発する水蒸気圧を同温度の飽和水蒸気圧で割った値で、試料中の自由水の指標となります。一般には保存性の指標となる値ですが、この装置では内部の水蒸気圧を変化させることによる、水分の吸脱着特性も評価することができます。固体真密度測定装置 真密度とは固体自体の密度のことです。例えば粉体であれば、充填の仕方によって見かけ上の体積は変化しますが、粉体自体の体積は変化しません。この装置を用いることによって、真空凍結乾燥で得られた多孔質の試料の真密度や、粉粒体の真密度を正確に求めることができます。
示差走査熱量計(DSC) この装置は、試料の温度を変化させたときの熱量を測定する装置です。結晶が融解する時の熱量(融解熱)やデンプンが糊化するときの熱量など、様々な情報を得ることができます。
レーザー回折 粒径分布測定装置 粉粒体やエマルションなどの粒径を、レーザーにより即時に測定することができる装置です。
接触角、動的滑落角、界面張力測定置 フッ素でコーティングされたフライパンは、よく水をはじきますが、ガラスなどは水が広くひろがりよくぬれます。この「ぬれ」の程度を表現するのが接触角です。ま た、フッ素のフライパンの水滴は傾けると転がりだします。こういった固体と液体間の挙動は、重要な評価基準となります。