生命農学科のいまを伝える
生命農学科の上吉原先生の研究成果が世界的権威のある総合学術雑誌「米国科学アカデミー紀要」に掲載されました。
トマトの食味に強く影響する香り成分の合成について調べたもので、これまでに知られていない新たな合成経路を発見しました。本研究は、日本、アメリカ、カナダとの国際共同研究で、共同第一著者として研究の実施に当たりました。本研究の成果は、生命農学科で行われている香りをターゲットにしたフルーツの品種改良につながります。
詳細はこちら→(https://www.pnas.org/content/119/7/e2118676119)。
トマトは世界で最も多く生産されている野菜です。これまでのトマトの品種育成では、耐病性や高糖度化、収量性などを目的に改良が行われてきました。それらに加え、近年は消費者ニーズの多様化から、香り成分(フレーバー)が注目されています。日本大学生命農学科の上吉原先生は、トマトの美味しさを左右する香り成分としてニトロ・ニトリル類とよばれる香気成分に注目しました。一例として、フローラルな芳香を持つベンジルシアニドが挙げられます。この研究では、これらの香気成分がアミノ酸の一種であるシステインを出発点とする経路で合成されることが明らかにされました。
この研究では、普段わたしたちが食べているトマト(栽培種)と野生のトマトを掛け合わせて得られた多数の系統の香りを分析し、鍵となる遺伝子を探し出しました。さらに、生化学的な解析から、この遺伝子からつくられる酵素がニトロ・ニトリル系香気成分の合成を担うことが示されました。この研究成果は、日本大学生命農学科の上吉原先生と、ラヴァル大学(カナダ)やフロリダ大学(アメリカ)などとの国際共同研究によるものです。日本大学生命農学科では、学部学生や大学院生がトマト、イチゴ、ブドウなど、フルーツの香り成分について日夜研究に励んでいます。
★上吉原先生が所属する園芸科学研究室紹介ページはこちら
☆生命農学科公式HP
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~
☆生命農学科 公式Instgram
https://www.instagram.com/
2022年3月5日