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生命農学科通信 vol. 51「生命農学科の研究紹介~キウイに含まれるアレルギー成分の研究~」
キウイフルーツに含まれるアレルギー成分の研究
キウイフルーツはビタミン類やミネラルを豊富に含む果物です。秋から冬にかけては国産が、それ以外の季節は輸入ものがスーパーに並びます。キウイフルーツは重要な果物の一つですが、アレルギー症状を持つ患者が果実類の中で最も多いと言われています。アレルギーの原因となっている主要な成分として、アクチニジンというタンパク質があります。多くの品種はアクチニジンを含んでおり、アレルギー症状を持つ人は食べられないのですが、中にはアクチニジンをほとんど含まない品種もあります。
私たちは、アクチニジン含量が低い‘紅妃’という品種に着目し、その分子メカニズムの解明を試みました。その結果、‘紅妃’のゲノムDNA中には、アクチニジンをつくる遺伝子付近に、トランスポゾンという「動くDNA」が存在していることが分かりました。残念ながらこの品種は貯蔵性があまり良くないのですが、品種改良に利用することで、アレルギー患者の方が食べれる品種の育成につながることが期待されます。
*キウイフルーツに含まれるアレルギー成分はアクチニジンだけではありません。‘紅妃’には別のアレルギー成分が含まれる可能性があるため、過去にアレルギー症状が出たことがある方は、十分にご注意ください。
こちらが実際の研究発表論文です。
The Horticulture Journal. Vol. 87 (2018), No. 2 pp. 288-296.
この研究を行った教員
上吉原 裕亮 園芸科学研究室
日本大学生物資源科学部卒業
名古屋大学生命農学研究科博士課程
フロリダ大学博士研究員
日本大学生物資源科学部 専任講師(現職)
☆生命農学科公式HP
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~
☆生命農学科 公式Instgram
https://www.instagram.com/
2021年2月27日