研究室紹介

日本大学 獣医生理学研究室の紹介

獣医生理学という分野ではヒト医学における生理学だけでなく、多種多様な動物に普遍的な機能や種によって特徴的な機能にも着目して研究が行われます。

当研究室は、比較獣医学の視座に基づき、ヒトからイヌ・ネコといった伴侶動物、水中に生活するイルカやクジラなどの鯨類、さらには鳥類に至るまで、多様な動物種における循環器系の生理学および病態学に関する研究を展開しています。

我々の研究アプローチは、分子・細胞レベルでのミクロな機能から個体レベルでのマクロな機能評価までを広く網羅する研究戦略にあります。「木を見て森を見ず」とならないために、この多角的アプローチにより、単一の事象に囚われることなく、生命現象をより大きな視点から俯瞰し、その普遍性と多様性を探求することを目指しています。

日本大学獣医生理学研究室の集合写真

現在のメンバーはメンバー紹介ページをご覧ください

また、現在X(旧Twitter)でも情報を発信しております。ぜひこちらもフォローください

循環器生理学研究のビジョンとアプローチ

循環器系は、生命維持に不可欠な基盤システムであり、ほぼすべての動物に備わっています。

多くの動物で共通する構造や機能も多く存在しますが、動物種によって異なる機能や調節メカニズムを示す部分も存在します。当研究室では、この多様性こそが生命の進化の叡智であり、普遍的な生理機能の根源を理解するための鍵であると考えています。

そのために、我々は以下の二つの軸を重視しています。

1.種横断的アプローチ (Cross-Species Approach)

ヒト、イヌ、ネコ、イルカ、クジラ、鳥類など、異なる進化の道筋を辿ってきた動物種を研究対象とすることで、特定の種に限定されない循環調節の基本原理を抽出します。同時に、各種に特有の循環器疾患(例:イヌの僧帽弁閉鎖不全症、ネコの肥大型心筋症)の病態生理を解明し、種特異的な治療戦略の基盤構築に貢献します。

動物種横断的アプローチ

2.階層的アプローチ (Multi-Level Approach)

研究対象とする生命現象に対し、単離した心筋細胞や血管構成細胞におけるイオンチャネルの動態や細胞内シグナル伝達の解析から、実験動物を用いた血行動態(ヘモダイナミクス)や自律神経調節の評価、さらには臨床症例における病態解析まで、複数の階層を連携させた研究を推進します。これにより、分子レベルでの事象が個体の生理機能や病態にどのようにつながるのか、その統合的な理解を目指します。

循環器研究のアプローチ

ということで、当研究室は、細胞から生体まで、そして多様な動物種を横断する広範な研究を通じて、循環器生理学・病態学における未解明な領域に挑戦しています。我々の研究成果は、獣医学領域における診断・治療法の高度化に直接的に貢献するのみならず、比較生理学の発展、ひいてはヒトの循環器疾患の理解を深化させるための新たな洞察を提供することを使命としています。

お知らせ NEWS

関連リンク