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2025.04.02 学会発表
園芸学会令和7年度春季大会 2025年3月21日
ペポカボチャの一種であるズッキーニは、日本でも人気が高まっている野菜の一つです。ペポカボチャの果皮の色や模様は実に多彩であり、100年以上前から遺伝学の研究対象とされてきました。私たちは、この色を決める遺伝子について研究を進めています。
今回の研究では、緑色と黄色のズッキーニ品種を交配し、次世代シーケンサー(NGS)を用いてDNA配列を比較しました。その結果、果皮の色に関わる「B遺伝子座」が10番染色体上にあることが分かりました。黄色品種ではこの領域に染色体の重複があり、クロロフィル(葉緑素)を作る酵素の遺伝子が壊れていることが分かりました。つまり、緑色のクロロフィルが作られないため果皮が黄色くなると考えられます。国内で普及しているズッキーニの黄色品種のみならず、古典的なペポカボチャ黄色系統の多くでこの染色体重複がみられたことから、変異を生じた祖先種またはその子孫が世界的に広まり、黄色品種の育成に利用されてきたと考えられます。
この研究成果は、植物の色が決まる新たな仕組みに迫るとともに、野菜の色のバリエーションを増やすための品種改良に役立ちます。
指導教員 アグリサイエンス学科 水野真二
アグリサイエンス学科URLはこちら: https://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~NUBSagr