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大学院からのお知らせ

2025.03.29 学会発表

魚の口の中の拡がりと釣針の形によって釣れやすさが変わる「口腔内部空間の拡がりと針掛りのしやすさⅠ釣針を口腔に入れたカサゴの行動」生物資源生産科学専攻 修士2年 小野俊太朗(日本大学高等学校)

令和7年度日本水産学会春季大会 2025年3月

釣りは魚が釣針を口の中に取り込んだ後,口の中に針が掛かることで成功します。したがって口腔内部の拡がりと釣針の大きさ・形は密接に関係している筈です。
このことを利用すれば,小さな魚を保護するためには,魚の口に入らない大きさの釣針を使えば良いことも容易に予想されます。一方で釣りは,湖や川,海で行いますので,魚がどのように釣針に接近し,口に取り込み,釣られる,もしくは逃げているのかは,見えない場所の出来事なので未だ良くわかっていません。
この研究では,水槽の中に置いた様々な大きさの釣針に対して,カサゴがどのような行動を示したのかを観察し,釣針の大きさとカサゴの口の中の拡がりのの関係が,釣れる・釣れないとどのように関連しているのかを明らかにしました。

カサゴの口腔内部をシリコンで型取りしたもの
水槽内でカサゴが釣針を引っ張っているようす
下田実習所でのカサゴ漁獲の様子

【先生からの一言】
魚の口の中の形状を明らかにした研究はこれまで少ないのですが,小野君の研究により,様々な大きさの魚の口の中の形状が体長とどのような関係にあるのかが明らかにされました。本研究は,釣れる・釣れないと釣針および魚の大きさの関係を水槽実験だけでなく,本学所有の実習船での伊豆・下田市沖での操業実験の結果と照らし合わせて明らかにしたものです。
(海洋生物学科,魚群行動計測学研究室,小島隆人)

指導教員 海洋生物学科 小島隆人
海洋生物学科URLはこちら: https://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~NUBSmas/

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