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2025.04.02 学会発表
園芸学会令和7年度春季大会 2025年3月21日
野菜や果物を含む作物の品種改良において、病害に強いかどうかを判定し、強い個体を新品種として選抜することは重要です。パインアップルにおいては、果実内部が腐敗する小果腐敗病という病害が問題となっており、これに強い品種が生産者から求められています。さて、パインアップルの品種改良時には、毎年交配により作成された約3000個体の新たなパインアップルを調査し、病害抵抗性や糖度、果実重など様々な特性から新品種にふさわしい個体を選抜します。この時、小果腐敗病の病害抵抗性についても調査をしますが、果実が1個体しかないため、病害の出なかった個体は、「強かったから出なかった」のか、「弱いけれども、周囲に病原菌がいなかったから出なかった」のか、判断ができません。今回は、約3000個体のパインアップルを調査し、特定のゲノム領域において、病害の発生しやすいタイプとそうではないタイプがありそうだ、という結果を得ることができました。病害に強いかどうかをゲノム調査で判定することができれば、「病害が出なかったけれど実際には弱い個体」を判別することができるようになり、品種改良の方法がさらに改良できると期待されます。
指導教員 バイオサイエンス学科 奈島賢児
バイオサイエンス学科URLはこちら: https://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~NUBSbio