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研究テーマ

軟部外科に関する研究

犬の会陰ヘルニアの再建外科に関する研究

 会陰ヘルニアは未去勢の雄犬に発生する病気で、男性ホルモンが関与していると言われています。通常、会陰周囲はしっかりした筋肉によって支えられていますが、筋肉が弱まることで隙間から腹腔内の脂肪、直腸または膀胱などが皮膚の下に脱出し、排便困難などを引き起こす病気です。したがって、筋肉の隙間を塞ぐための様々な手術方法が考案されてきました。本研究室では、総鞘膜という自己の生体膜を利用したヘルニアの再建に関する研究を行っています。総鞘膜とは精巣を包んでいる強固な膜で、去勢手術の際に得られる組織です。会陰ヘルニアは男性ホルモンが関与しているため、同時に去勢手術を行います。そのため、去勢手術の際に得られた総鞘膜は、そのままヘルニアを塞ぐために利用できます。その他の再建方法としては、人工(ポリプロピレン)のメッシュ状の膜を利用して会陰ヘルニアの再建も行っています。

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腫瘍外科に関する研究

癌に対する新しい治療法に関する研究

 癌治療ほ3本柱は外科的治療、放射線療法および抗がん剤治療(化学療法)です。しかし、これらを駆使しても治すことができない癌は多いのが現状です。そこで光線力学的治療法、動脈塞栓療法、免疫療法などの最先端癌治療の研究を行っています。

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心肝血管外科に関する研究

肝阻血法による肝臓切除術、副腎腫瘍切除における血流遮断法に関する研究

 犬では肝臓腫瘍や副腎腫瘍に遭遇することがしばしばあります。これらの腫瘍の周囲は血流が豊富で手術際には出血といった危険を伴います。肝阻血法あるいは血流遮断法は、一次的に腫瘍周囲の血流を遮断し、その間に腫瘍を摘出する外科的治療の術式です。

インターベンショナル・ラジオロジーの臨床応用に関する研究

 インターベンショナル・ラジオロジーとは、エックス線などの装置を使って体のなかを透かして見ながら、体の血管を通してカテーテルを入れて行う治療のことです。例えば、動脈管という心臓の管は、胎児期には必要なものですが、生後は不要のため自然に閉鎖します。しかし、上手く閉じない時がありこれを動脈管開存症と言います。動脈管開存症は外科的に胸を開いて糸で結紮して治療しますが、このインターベンショナル・ラジオロジーを使って治療できることがあります。その場合には太股の動脈からカテーテルを入れていき、心臓の動脈管にまでカテーテル先端を進めます。そこでコイルという詰め物を設置することで血管の内側から管を塞ぐことができます。動物のサイズや管の形態などいくつかの条件が必要となりますが、胸を開くのに比べて患者さんの負担が非常に小さいのが特徴になります。その他には癌治療の1つでもある動脈塞栓療法などのインターベンショナル・ラジオロジーを使った治療法になります。

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内視鏡外科に関する研究

胸腔鏡、腹腔鏡および関節鏡による最小侵襲外科に関する研究

 近年では小動物臨床でも侵襲の少ない外科的治療が望まれるようになってきました。しかし、患者さんのサイズの違い、器械のデバイスの問題など未だ発展途上です。本研究室では、関節鏡手術、胸腔鏡下心膜切除、腹腔鏡下卵巣子宮摘出術、VATS、VAASなどの最小侵襲外科の確立を目指しています。

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神経・整形外科に関する研究

再生医療・再建外科

 研究室では、脊髄損傷に対する神経再生医療、関節軟骨・靭帯の再生医療といった様々な臓器の再生医療を目指しています。また、前十字靭帯を中心に関節解剖・生理学の研究と新規治療への応用を目指しています。骨折をした場合、生体はそれを修復しようと働きかけます。しかし、骨折した骨の隙間が20mm以上開いてしまいますと、通常は骨は自力では治らないと言われています。しかし、補填材料となる人工骨を使って骨の隙間を補填すると、骨折を整復することが可能になります。独立行政法人物質材料研究機構との共同研究のもと、材料の開発を中心に人工骨を用いた骨再生医療を行っています。

神経・整形の新規診断法の確立

 無侵襲な超音波診断装置やMRI装置を用いて脊柱疾患(椎間板ヘルニアなど)の予後に関する検討を行っています。脳脊髄液検査や関節液検査の性状と疾患の関連性についても研究しています。

リハビリテーション医療に関する研究

 動物のリハビリテーションの効果に関する研究や物理療法の獣医療への応用を研究しています

ペインコントロール(疼痛管理)に関する研究

 動物でも人と同様に痛みを感じることが従来より理解されています。しかし、動物は言葉で痛みを訴えることができず、疼痛管理に関する意識の高まりは最近のことです。痛みには手術に伴う急性痛や、関節疾患に伴う慢性痛があります。いずれも動物のQOL(生活の質)を低下させるため、疼痛管理を行う必要があります。本研究室では動物医療におけるペインコントロールに関する研究を行い、周術期や関節疾患に伴う痛みを治療しています。

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循環器に関する研究

心エコー検査(心臓超音波検査)に関する研究

 エコー検査は心疾患を診断するために必要な優れた手段です。また、診断に限らず詳細な病態の把握、治療法の選択、治療効果の判定あるいは予後の評価などにも有用です。したがって、心エコー検査における最新の方法を研究し、さらに小動物臨床に役立てることを目的として研究しています。

循環器麻酔に関する研究

 全身麻酔は、CT・MRI検査や手術の際に必要なものです。最近では老齢動物の増加などにより心疾患患者が増加傾向にあるようです。心臓の悪い患者さんに全身麻酔を行うことはリスクが高く、心臓を補助したり血圧を維持しながら麻酔を行う必要があります。また、重症患者では同様に麻酔リスクが高くなります。したがって、麻酔中の点滴、強心剤あるいは昇圧剤の投与について研究を行い、より安全な麻酔管理を目指しています。

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所在地

〒252-0880
神奈川県藤沢市亀井野1866
日本大学 生物資源科学部
9号館 2階


 動物病院 ANMEC