今年の冬は寒気の南下が続き、寒い日が続きました。そのため、雨が雪に変わり、交通機関に影響がでる日もありました。今回は上毛三山の一つ、赤城山と冬季の樹木観察方法等を紹介します。
群馬県民に愛されてきた郷土の山である赤城山・榛名山・妙義山を上毛三山と言います。
赤城山は1947年に作られた上毛かるたで「裾野は長し赤城山」と読まれているように、東西約20q、南北約35qの広大な裾野を持つ円錐形の成層火山で、最高峰の黒檜山(1828m)、長七郎山、地蔵岳、荒山、鈴ヶ岳等を総称して赤城山と言います。山頂部にカルデラ湖の大沼(おの)、火口湖の小沼(この)があり、大沼の小鳥ヶ島には赤城神社元宮が建立されています。県民に愛されてきた山で、裾野のそれぞれの市町村から眺めた赤城山が一番美しいと言って譲らないものです。
高崎から見た赤城山 |
上毛高原駅から見た赤城山 |
大沼と小鳥ヶ島 |
小沼(右側中央)シ |
冬型の気圧配置になると上越国境を越えた北西の季節風が赤城山の山頂にあたり雲ができ雪を降らせます。季節風は赤城山を越え、乾いた風となって群馬県の平野部に吹き下ります。この強風のことを上州名物からっ風または赤城おろしと呼んでいます。高崎駅で上越線に乗り換え、進行方向右側に見える赤城山の頂上に雲がかかっていると、演習林は雪が降っていると思ってください。
高崎から見た赤城山 |
上毛高原駅から見た赤城山 |
冬季実習ですてきなキャンドルナイトの演出を鍛代先生が考えてくれましたので紹介します。
ローソクとウッドキャンドル |
マツのウッドキャンドル |
冬季の樹木判別方法の一つとして、樹皮の模様も判別材料になります。
樹皮の裂け目・筋・はがれ等の模様で横筋・縦筋・縦裂け・網裂け・まだらはげ・波模様・平滑の7種類に分けることができます。
横向きの皮目や筋が全体にあるもので、ウダイカンバ・ミズメ・カスミザクラ等が当てはまります。
ウダイカンバ |
ミズメ |
縦向きの筋や浅い裂け目が全体にあるもので、アカシデ・ウリハダカエデ・クマシデ・等が当てはまります。
アカシデ |
クマシデ |
縦向きのはっきりした裂け目が全体にあるもので、アサダ・ケンポナシ・オヒョウ・ネジキ等が当てはまります。アサダとケンポナシは短冊状にめくれます。オヒョウはやや網目状に裂けます。ネジキはらせん状に裂け、幹がねじれて見えることが名前の由来になっています。
アサダ |
ケンポナシ |
オヒョウ |
ネジキ |
網目状の裂け目が全体にあるもので、カラマツ・アカマツ等が当てはまります。
カラマツ |
アカマツ |
全体または一部がよくはがれ、まだら模様になるもので、リョウブ・オノオレカンバの成木・ケヤキの成木等が当てはまります。
リョウブ |
オノオレカンバ成木 |
老木の樹皮には波模様ができるものがあります。ケヤキ・トチノキの老木等が当てはまります。
ケヤキ老木 |
トチノキ老木 |
目立った裂け目や筋がないもので、ブナ・アオハダ・ホオノキ・コシアブラ等が当てはまります。
ブナ |
ホオノキ |
(2013年02月)