演習林情報

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水上演習林観察日誌

水上演習林観察日誌17

 今年の2月は冬型の気圧配置で寒い日が続き雪の量も多かったです。3月になって低気圧による雪も降るようになり、春の兆しが見えてきました。4月は寒い日が続き、雪解けも遅かったです。ゴールデンウィークは暖かい日が続き、一気に雪解けが進みました。5月に入り、植物の開花時期は平年並みに回復しました。

着雪

 みなかみ町に雪が降る条件は二つのパターンがあります。一つは冬型の気圧配置(西高東低)で北西の季節風が越後山脈に当たり雪が降る時、もう一つは春先に低気圧が通過する際、寒気の影響で雨が雪に変わった時で、東京に雪が降る場合もあります。この場合湿った重い雪が降りますので、着雪注意報が出る時もあります。この湿った雪のパターンが今年は多かったです。

モミジ
モミジ
ソメイヨシノ
ソメイヨシノ
歩道がトンネルに
歩道がトンネルに
車道もトンネルに
車道もトンネルに

 木々は雪が付いて花が咲いたようです。演習林には竹がありませんが、葉に雪が付いて幹がしなり、通行の妨げになります。

新人

 4月から松崎紀雅さんが着任しましたので本人に自己紹介をしていただきます。



 はじめまして本年度より水上演習林に着任しました松崎と申します。平成23年3月に森林資源科学科大学院を修了、その後約1年間栃木県林務事務所に勤務した後、この水上演習林へ臨時職員として参りました。東京で桜の開花を聞く一方、水上ではまだまだ積雪が見られ驚いています。水上演習林は私が学生の時何度もお世話になり、実習を行うにあたり非常に重要かつ素晴らしい演習林です。これから演習林の管理に加え、水上演習林で行われる実習が円滑に進められるよう一生懸命努めていきたいと思います。4月7日記

梅と桜

 今年の梅と桜(ソメイヨシノ)の開花は寒さの影響で全国的に遅かったようです。水上も例外でなく梅は本当に遅く、桜は持ち直してきました。梅の終わりの時期に桜が咲き両方の花が同時に見られました。

梅(左)と桜4月28日
梅(左)と桜4月28日
藤原湖畔のソメイヨシノ5月7日
藤原湖畔のソメイヨシノ5月7日

 演習林に向かう途中の幸知部落で咲いていた梅とソメイヨシノです。藤原ダム管理支所のソメイヨシノはゴールデンウィーク中に咲いたようです。
 演習林のオオシマザクラはゴールデンウィーク中に咲き始め、カスミザクラはゴールデンウィークの終わりごろに咲き始めました。今年のカスミザクラはたくさん咲き大変きれいでした。

ブナ

 大量にブナの種子が林内に落ちました。動物が食べてもたくさん発芽してきました。

芽生え
芽生え
動物による貯蔵種子の芽生え
動物による貯蔵種子の芽生え

 芽生えは光不足・梅雨時期の多湿・病虫害・食害によって枯死し、さらに梅雨明け後に積もっている落葉層の乾燥によって大部分が枯死してしまいます。このことは私の造林学の恩師片岡寛純先生がソフトサイエンス社発行の「ブナ林の自然環境と保全」の中に詳しく書かれていますので、興味のある方は目を通してください。

(2012年5月)