環境適応生物を活用する環境修復技術の開発 日本大学21世紀COEプログラム
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研究内容
酸性硫酸塩土壌適応植物の探索とその適応機構
<植物の強酸性土壌環境への適応機構 ‐その生理的応答システムの解析をめざして‐>
長谷川 功、加島 洋亨、新町 文絵、野口 章、佐々木 惠彦
 酸性硫酸塩土壌には植物の生育を妨げる要因が存在します。それは一つではなく、様々な要因が互いに影響しあっています。主なものは、
硫酸濃度が高くてpHが著しく低いこと
アルミニウムなどの有害金属元素の濃度が高いこと
塩基やリン酸などの養分濃度が低いこと
などです。これらのストレスを受けるために、多くの植物は正常な生育を遂げることができません。
強酸性土壌に適応して生育する植物の探索
 ところが、このような環境でも生育できる植物が存在します。タイやベトナムの酸性硫酸塩土壌地帯では、種類こそ多くはありませんが、写真に示すような植物が生育しています。これらの植物種は、上に述べたような複合ストレスを克服しているはずです。実際に現地に出向いてこのような「耐性植物」を見つけ、そのストレス克服の仕組みを調べることは、酸性適応機構を解明するための糸口として大変重要な作業です。現在、上述した国々の研究者と共同で耐性植物を探索し、なぜ耐性を持つのか、その理由を調べているところです。
植物のシステイン合成能と酸性耐性能
 酸性硫酸塩土壌は多量の硫酸を含んでいるので、ここで生育可能な植物は多量のイオウ存在下で生育していることになります。したがってこれらの植物は、体内に取り込んだイオウを代謝・利用する能力に優れていることが予測されます。図に示した植物のイオウ代謝経路のなかで、わたしたちは「システイン合成酵素」(硫化物イオンからシステインへの反応を触媒)の活性に着目しています。

 これまでの研究から、システイン合成酵素活性が高い植物種ほど、硫酸酸性条件下での生育が良好であることがわかってきました(グラフ参照)。酸性硫酸塩土壌での複合ストレスに耐え得る植物は、この酵素活性が高いのではないかと推測されます。そしてシステイン合成酵素活性の大小を目安に、酸性硫酸塩土壌に生育し得る植物を選抜できるのではないかとも考えています。
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