GRADUATE SCHOOL

生物資源科学研究科生物資源利用科学専攻

生物資源利用に関わる諸問題を地球環境に配慮して総合的にとらえ、生物資源を有効利用する手法の開発を行います。

専攻主任から

生物資源利用学、生物資源利用化学、微生物利用科学、食品科学の各分野から構成される生物資源利用科学にかかわる講義を行い、基礎ならびに応用研究手法・技術を導入し、優れた研究能力と高度の専門技術を備えた人材を育成します。

本専攻の構成

本専攻は、生物資源利用学、生物資源利用化学、微生物利用科学、食品科学の4分野から構成され、講義、演習、および研究指導と、学生自身による研究活動を通して、生物資源の利用に関する高度な知識、技術、および発想力を身につけ、生物資源を有効に利活用するための高い研究能力を備えた人材を育成しています。

01生物資源利用学分野

多種多様な生物資源を有効に利活用するために、これらを構成している物質の種類、成分、特性、および生理機能を明らかにするとともに、それらの高度利用を図るための知識と技術の伝授、および研究指導を行います。これらを通して、生物資源を有効に利活用するための研究・技術の分野において活躍できる人材を育成しています。

01 博士前期課程

動植物資源を有効利用するための基礎的な研究を行うとともに、これら生物資源を構成する物質や成分の特性および機能を明らかにしつつ、かつ、高度利用を図るための講義と研究指導を実施します。また、動植物資源およびその成分の生態調節機能に関する生理・生化学的な解析を中心に応用面も含めて総合的に教育、研究します。

01 博士後期課程

動物、植物、微生物を有効利用するために、これらの生物資源を構成する物質や成分の特性と機能を明らかにし、食料および生活資源への利用などについて講義します。また、これらに必要な研究解析方法も指導します。

02生物資源利用科学分野

生物資源のより高度な有効利用を図るために、それらに含まれる低分子および高分子有機化合物の単離、同定、構造解析、および機能解析に関する方法と技術を伝授するとともに、それらに基づいた研究指導を行います。これらを通して、物質レベルで生物資源を有効に利活用する研究・技術の分野において活躍できる人材を育成しています。

02 博士前期課程

動植物資源のより高度な有効利用を図るための基礎として、それらに含まれる高分子、ならびに低分子有機化合物の分離・同定・合成、それらの化学的特性、生体内での生理的役割、その生合成の解析、さらには最新の利用の実例などについて幅広く講義を行い、研究指導を実施します。

02 博士後期課程

生物中に大量に含有されている糖類や蛋白質、および少量しか存在しないが機能性の高い酵素の構造機能相関について最新の知見と、その利用・応用面についての講義を行います。また生物資源の有効利用に必要な、分析・解析技術についても指導します。

03微生物利用科学分野

様々な微生物資源を高度に利用するために必要な一般微生物学、微生物利用学、環境微生物学、微生物分子生物学などの、微生物に関する基礎ならびに応用に関する知識と技術を伝授するとともに、それらに基づいた研究指導を行っています。これらを通して、微生物資源を有効に利活用する研究・技術の分野において活躍できる人材を育成しています。

03 博士前期課程

微生物資源を高度利用するための基礎と応用および技術開発に関する総合的な講義と研究指導を行います。一般微生物学、微生物生理学、ウイルス・ファージを含む分子生物学分野について総合的に学びます。

03 博士後期課程

微生物利用学、ならびにそれを支える基礎微生物学の高度な内容について最新の情報をもとに講義します。また、ポストゲノムシークエンス時代を迎えて遺伝情報科学の進展に伴った微生物の新たな利用を講義します。さらに微生物利用学、ならびにそれを支える基礎微生物学の興味ある最新のトピックスも理解するよう指導します。

04食品科学分野

食品成分の特性と変化、成分間の相互作用と変化、成分の機器分析法、さらには、食品の製造における原料の物性、加工特性、加工技術、および応用が期待される新技術などに関する知識を教授するとともに、それらに基づいた研究指導を行います。これらを通して、食品産業の研究・技術の分野において活躍できる人材を育成しています。

04 博士前期課程

食品成分の化学的特性や変化、食品各成分間の相互作用と変化、食品成分の最新機器分析法、さらには、食品の製造における原料の機能特性、加工特性ならびに加工技術の単位操作、食品製造装置の開発、応用が期待される新技術などを総合的に講義するとともに、研究指導を行います。

04 博士後期課程

食品摂取による健康維持、疾病予防、疾病防御など三次機能について、食品成分の構造と機能の関係から講義します。また、食品汚染の問題やその分析法、食品製造・加工の化学工業技術について講義します。これらに関する最新の研究成果の内容について討議を行い、研究の進め方や将来の展望についても指導します。

教育研究上の目的

博士前期課程
生物資源利用学、生物資源利用化学、微生物利用科学、食品科学の4分野から構成される生物資源利用に関する知識を教授する。また、生物資源の利用に関わる課題や生物資源を有効利用する技術の開発を研究課題として、広い視野から問題点を把握し、その解決の取り組みにあたって応用力を発揮しうる人材の養成を目指す。
博士後期課程
生物資源利用に関わる諸問題について各分野から総合的に捉えた講義と研究指導を行なう。生物資源を有効に利活用できる技術の開発を可能にする専門技術者と、優れた研究能力と広い視野をもち、問題を把握し、応用力を発揮して解決できる有能な研究者を養成する。

教員一覧

生物資源利用学分野

  • 研究テーマ

    川井泰教授

    • 1.乳酸菌が生産する抗菌性ペプチド(バクテリオシン)に関する研究
    • 2.プロバイオティクス乳酸菌と発酵乳の機能特性に関する研究
  • 研究テーマ

    熊谷日登美教授

    • 1.食品タンパク質の脱アミド化による新機能の付与
    • 2.穀物アルブミンによる食後血糖値上昇抑制作用
    • 3.食品フレーバー関連成分の機能性
  • 研究テーマ

    福島英登教授

    • 1.海洋生物の種特異的な加工特性に関する研究
    • 2.水産物の鮮度保持・鮮度判定に関する研究
    • 3.凍結・解凍中の魚介類筋肉の性状変化に関する研究
  • 研究テーマ

    若林素子教授

    • 1.食品香気成分の生合成に関する研究
    • 2.食品香気成分の構造活性相関に関する研究
    • 3.食品香気成分の生理活性に関する研究
    • 4.食品成分や物性とおいしさの関連の解明に関する研究
  • 研究テーマ

    近藤春美准教授

    • 1.HDLをターゲットとした食品由来成分の抗動脈硬化作用に関する研究
    • 2.地域野菜および果物の抗酸化機能に関する研究
  • 研究テーマ

    谷米温子准教授

    • 1.食物の咽頭部流速と食品物性の関連
    • 2.食品ハイドロコロイドの物性に関する高分子科学的研究
  • 研究テーマ

    山口勇将専任講師

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生物資源利用化学分野

  • 研究テーマ

    木口実教授

    • 1.木質系バイオマスの有効利用技術に関する研究
    • 2.表面化学修飾による木質材料の高性能化に関する研究
  • 研究テーマ

    袴田航教授

    • 1.タンパク質の立体構造に基づく生理活性物質の精密設計と合成
    • 2.天然からの医薬品シード化合物の探索と構造最適化
    • 3.ケミカルバイオロジー手法による医薬品リードの作用標的探索
  • 研究テーマ

    平野貴子准教授

    • 1.海洋細菌由来キチン分解関連酵素の酵素化学研究
    • 2.キチン由来オリゴ糖の微生物機能性に関する研究
    • 3.希少なオリゴ糖の探索・生産・機能性の研究

微生物利用科学分野

  • 研究テーマ

    荻原淳教授

    • 1.発酵醸造微生物の機能解明
    • 2.浸透圧耐性酵母におけるポリオール生産機構の解析
    • 3.外的刺激に対する植物刺激応答機構の解明
  • 研究テーマ

    中川達功教授

    • 1.アンモニア酸化性アーキアおよびバクテリアの応用生態学的研究
    • 2.亜酸化窒素軽減微生物の応用生態学的研究
  • 研究テーマ

    渡邉泰祐准教授

    • 1.麹菌が生産する香気物質の生合成機構の解析
    • 2.麹菌が発酵飲食品の香気成分に及ぼす影響の解析
    • 3.浸透圧耐性酵母におけるポリオール生合成機構の解析
  • 研究テーマ

    土屋雄揮専任講師

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食品科学分野

  • 研究テーマ

    長田和実教授

    • 1.匂い成分がもたらす脳機能、行動生理の変化に関する研究
    • 2.嗅覚機能・体臭に対する食品成分の作用について
    • 3.嗅覚マスキングの評価に関する研究
  • 研究テーマ

    鈴木チセ教授

    • 1.乳酸菌をプローブとした腸内環境感知技術に関する研究
    • 2.乳酸菌と酵母の相互作用に関する研究
    • 3.酵母間の攻撃と防御のタンパク質に関する研究
  • 研究テーマ

    細野朗教授

    • 1.食品成分の腸管免疫応答への作用について
    • 2.腸内細菌による腸管免疫系の調節作用について
  • 研究テーマ

    松藤寛教授

    • 1.植物ポリフェノールの分析化学研究
    • 2.植物二次代謝産物の構造と生合成に関する研究
    • 3.未利用資源からの有用物質生産に関する分析化学研究
  • 研究テーマ

    阿部申准教授

    • 1.食品加工への圧力技術の利用に関する研究
    • 2.酵素反応に及ぼす圧力処理の影響
  • 研究テーマ

    大槻崇准教授

    • 1.測定対象の定量用標品を必要としない食品関連成分分析法の確立
    • 2.食品添加物公定法の確立および性能評価
  • 研究テーマ

    大畑素子准教授

    • 1.食品の加熱香気の嗅覚系を介した生理応答の解明
    • 2.食品の加熱香気が有する食欲調節機能の解明
  • 研究テーマ

    津田真人准教授

    • 1.大腸免疫系の抗体産生機構と腸内細菌による制御に関する研究
    • 2.腸内細菌・食品成分によるアレルギー応答の調節
  • 研究テーマ

    陶慧准教授

    • 1.食品の物性、熱物性に関する研究(測定法と推算法、シミュレーション)
    • 2.超臨界流体の食品への利用に関する研究(機能性成分の抽出分離、未利用資源の有効利用等)
    • 3.通電による加熱ならびに電気によるセンシングに関する研究
  • 研究テーマ

    鳥居恭好准教授

    • 1.機能性食品因子の探索と酵素的機能改変
    • 2.地域・伝統に根ざした食品の分析と特性評価
  • 研究テーマ

    成澤直規准教授

    • 1.口腔内細菌の制御に関する検討
    • 2.発酵食品の創成と機能性に関する研究
  • 研究テーマ

    河原井武人専任講師

    • 1.非加熱殺菌技術による食品媒介病原細菌の制御に関する研究
    • 2.バイオフィルムの制御と応用に関する研究