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大学院からのお知らせ

2025.01.28 学会発表

天然記念物のサクラを救え!「‘冬桜’増生症状に関わるDiaporthe 属菌の生態─若齢枝における内生段階の挙動─」生物資源生産科学専攻 修士2年 杉山陽紀(学校法人沼津学園 飛龍高等学校)

樹木医学会第29回大会 2024年11月17日

本研究は、群馬県藤岡市にある天然記念物の「三波川」のサクラ(冬桜)の衰退をくいとめ、復活させようという大きな目標の中での研究です。この冬桜の衰退の理由の一つに、枝がこぶ状に膨れて枯れてしまう病気が関わっていますが、病気が発生するまでの経緯は未解明でした。
本研究では、この病気を引き起こす病原菌の生態の一端を明らかにしました。この病原菌は、病気になっていない健全な若い枝のほぼすべてから見つかりました。つまり、病気の枝だけに見つかる菌ではなく、どこにでもいる普通の菌だったのです。また、春に伸びた新しい枝に感染した後は、病気を起こすまで数年もの長い時間にわたって、枝の内部に潜んで生きていたのです。この菌は一体何をきっかけに、どのように病気を起こすのか。
それはこれからの課題です。今回の結果は、防除対策を立てるための貴重な情報となりました。

【先生からの一言】
現在各地でサクラの衰退が問題となっています。杉山君はサクラの「難病」の一つに取り組みました。夏場には40℃超え、冬場には雪の降りしきる中での調査、実験とデータ整理、これらすべてをきっちりと行いました。「樹木医」の資格も取得した杉山君、今後の活躍を大いに期待しています。
(森林学科、森林植物・微生物学研究室、太田祐子)

指導教員 森林学科 太田祐子
森林学科URLはこちら: https://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~NUBSfos/

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