GRADUATE SCHOOL

生物資源科学研究科生物環境科学専攻

生物の多様性を配慮し、すべての生物との共存・共生のあり方と生物資源の保全・活用の持続的・安定的手法や技術を開発することを目的とします。

専攻主任から

当専攻では、生物環境科学の多様な分野に焦点を当て、幅広い学際的アプローチで環境問題に取り組んでいます。自然環境の要素(地圏、水圏、気圏、生物圏)と人間活動による環境の変化(土地利用、環境操作)の相互関係を、分析科学、計画学、応用技術科学など多岐にわたる視点から包括的に考察します。当専攻は環境の複雑性と相互依存性を理解し、持続可能な未来のための研究と教育に尽力しています。専攻の研究対象は、地域から世界的な地球環境に及び、科学的なデータと情報の解析を通じて、環境の健全性と持続可能性を総合的に検討します。当専攻はストレス耐性科学、環境計画学、環境創造保全学、環境情報科学の複数の分野を融合させ、生物環境科学に関連する講義や演習を提供し、学生に基礎から応用までの研究手法と技術を伝授しています。このような教育と研究を通じて、優れた研究能力を備えた専門家を育成し、環境問題の解決に貢献しています。

生物環境科学専攻
本専攻の構成

当専攻は、ストレス耐性科学、環境計画学、環境創造保全学、環境情報科学の4つの専門分野から成り立っています。研究の対象は細胞から地球環境まで幅広く、特に人間と環境の適切な関係に焦点を当てた研究を行っています。生物環境科学に関連する基本から応用までの研究手法と技術を学生に指導し、優れた研究能力と高度な専門技術を備えた専門家を育成することを目指しています。

01ストレス耐性科学分野

環境ストレスに対する生物の適応能や耐性機構等の解析、環境の保全や劣化環境の修復のための適応生物や耐性生物の選抜・利用に関する分野です。特に、環境ストレスに対する生物の応答機構や耐性機構の生理・生化学的および分子生物学的、さらには生態学的な解析を通して、環境修復に活かすための講義と研究指導を行います。

01 博士前期課程

環境ストレスに対する生物の適応能や耐性機構等の解析、劣化した自然環境の再生・回復のための適応生物や耐性生物の選抜・利用に関する分野です。特に生物に対する環境ストレスの影響について、生理・生化学、および分子生物学等の立場から解析して、それを生物による環境修復に活かすための講義と研究指導を行います。

01 博士後期課程

環境ストレスに対する生物の生理反応、形態的特性、耐性遺伝子などストレス耐性生物や生物による環境修復等に関する最新の知見を講義します。また、フィールドサイエンス研究における方法論を「現場」と「実験室」から議論し、研究方法の指導を行います。

02環境計画学分野

人間と生物・生態系との共生関係の維持と創造のための環境空間計画の分野です。緑地環境、建築・都市・農村地域の保全・維持・創出の計画設計理論・手法、歴史文化の継承と発展、環境共生技術、管理技術、制度について講義します。また、国内外での調査・研究を通して、調査・解析手法、計画デザインに関する手法についても教授します。

02 博士前期課程

人間を含めた生物の共存・共生のための環境計画の分野です。具体的には地域環境、緑地環境の保全・ 復元・創出のための計画理論・手法や、管理の技術論、計画・管理の制度論を講義し、さらに現地での調査・研究を通して、調査・解析手法、計画デザイン手法についても指導します。

02 博士後期課程

博士前期課程よりさらに高度な環境計画学について講義と研究指導を行います。特に国土土地利用計画や地域環境計画にかかわった自然的、文化的、社会的視野の情報を活用して、地域環境や緑地環境の計画手法を講義し、さらに、多角的な調査、研究を通じて問題解決方策の策定ができるように指導します。

03環境創造保全学分野

環境構成要素の機能を解析し、環境の復元・保全・創造や資源管理を行う分野です。具体的には、森林・土壌・河川・海洋・都市における環境の修復・再生・創造や、生態学的視点からの資源管理の理論と手法について講義します。また、野外での調査・研究を通じて、調査・解析、計画・設計、設備管理などに関する手法の開発についても指導します。

03 博士前期課程

環境構成要素の機能解析、生態系を考慮した環境の創造・保全の分野です。特に森林、土、水循環で構成される環境の修復・再生・創造や、生態学的視点からの資源管理の理論と手法を講義し、現地での調査・研究を通じて、調査・ 解析手法、計画・設計手法も指導します。

03 博士後期課程

より広い視野での「環境創造保全」についての講義と研究指導を行います。具体的には、地球規模レベルから身近な局所レベルまでの環境の復元・保全・創造や、資源管理の新しいあり方について講義・討論し、また環境要素の測定・分析手法、環境の計画設計手法、設備管理手法の修得と開発の指導も行います。

04環境情報科学分野

環境情報科学分野は、地域および地球規模の大気、土壌、水、および生物に関する資源情報の収集、解析、および効果的な活用に焦点を当てた分野です。また、生態系の保全に関連する情報も含みます。この分野では、環境変化の予測および対策に関連する基本的なから応用的な手法についての講義が行われます。また、環境資源とその保全に関連するデータの収集、情報の計測、調査、集積、数理解析、および変化の予測に関する国内外の研究動向についても指導されます。

04 博士前期課程

より広い視野での「環境創造保全」についての講義と研究指導を行います。具体的には、地球規模レベルから身近な局所レベルまでの環境の復元・保全・創造や、資源管理の新しいあり方について講義・討論し、また環境要素の測定・分析手法、環境の計画設計手法、設備管理手法の修得と開発の指導も行います。

04 博士後期課程

環境資源と、その保全に関するデータ・情報の計測・調査・集積・数理解析・変化予測等について、内外の最新研究動向を講義します。また、これらにかかわる具体的なデータ・情報を用いて、解析と変化予測の実際の指導も行います。

教育研究上の目的

博士前期課程
ストレス耐性科学、環境計画学、環境創造保全学、環境情報科学の4分野から構成される生物環境科学に関わる講義・演習を通して、専門分野の基礎・応用的手法・技術を習得させる。もって人類の環境との共生・保全に貢献することができるような研究能力、または高度な専門性を要する職業等に必要な能力を備えた有為な人材を養成する。
博士後期課程
生物環境科学に関する基礎的能力、すなわち環境を構成する自然的側面と人為的側面との関係を分析する知識・手法に基づき、環境に関わる情報・解析科学、シミュレーション、計画学さらには環境倫理学を含む総合的で高度な研究へと発展させる。また、豊かな学識と優れた研究能力と専門技術を備えるのみならず、国内外の環境との共生のための環境政策に関わる提言能力をも有する人材を養成する。

教員一覧

ストレス耐性科学分野

  • 研究テーマ

    新町文絵教授

    • 1.植物の重金属耐性機構の生理・生化学的解析
    • 2.強酸性耐性植物における硫黄代謝活性と耐性能の関係
  • 研究テーマ

    野口章教授

    • 1.環境変化に対する植物の生育応答と体内成分の挙動解析ならびに環境修復へのその利用
    • 2.緑肥や雑草の有効利用
  • 研究テーマ

    伊藤紘子准教授

    • 1.植物-土壌微生物間の相互作用に関する研究
    • 2.食資源植物の探索および高栄養性・高機能性成分の制御に関する生理・生化学的解析

環境計画学分野

  • 研究テーマ

    大澤啓志教授

    • 1.農村ランドスケープにおける生物多様性保全
    • 2.自然共生都市の形成に向けた緑地計画論
    • 3.生態工学による自然環境修復
  • 研究テーマ

    堀江亨教授

    • 1.木造住宅の架構法に関する研究
    • 2.日本の伝統的民家の再生・利活用に関する研究
    • 3.伝統木造用語に関する比較研究
  • 研究テーマ

    三谷奈保准教授

    • 1.外来種を含む野生動物の生態や対策手法に関する研究
    • 2.希少種の減少要因解明に関する研究
  • 研究テーマ

    炭山大輔専任講師

    • 1.外来種を含む野生動物の生態や対策手法に関する研究
    • 2.希少種の減少要因解明に関する研究
  • 研究テーマ

    藤沢直樹専任講師

    • 1.都市・農村における住民参加型での環境管理計画
    • 2.循環型社会構築のための計画策定における参加のデザイン手法

環境創造保全学分野

  • 研究テーマ

    荒功一教授

    • 1.相模湾の物理・化学特性の季節・短期変動の解明
    • 2.相模湾沿岸域におけるプランクトン生態系の食物網構造と栄養動態の解明
  • 研究テーマ

    上田眞吾教授

    • 1.生物地球化学的元素循環に与える人間活動の影響評価
    • 2.軽元素安定同位体比測定技術の環境生態学への適用
  • 研究テーマ

    阿部弘特任教授

    •   
    •   
    •   
  • 研究テーマ

    江頭港教授

    • 1.エネルギー貯蔵デバイスでの電気化学反応に関する研究
    • 2.鉄が関与する電気化学過程に関する研究
  • 研究テーマ

    小沢広和教授

    • 1.貝形虫(カイミジンコ:底生甲殻類)の古生物学.分類、系統、生物地理、オス・メス形態差、異時性的進化.
    • 2.日本列島沿岸の過去2,000 万年間における貝形虫の多様性変遷と古海洋環境変動史
    • 3.日本列島沿岸に生息する貝形虫ファウナ.種分布と海洋環境の関連、生活史
  • 研究テーマ

    斉藤丈士教授

    • 1.スラグ骨材のコンクリートへの利用に関する研究
    • 2.施工性を考慮した高強度コンクリートの配合と製造方法に関する研究
  • 研究テーマ

    瀧澤英紀教授

    • 1.みなかみ演習林の地質の異なる2流域における積雪融雪期の流出特性
    • 2.谷戸地形谷底部の渓畔林における水質浄化
  • 研究テーマ

    長坂貞郎教授

    • 1.農業地域における水質変化特性
    • 2.農地における水質変化機能の解明
  • 研究テーマ

    西村知良教授

    • 1.昆虫の生物時計・光周性のしくみと生態学的意義
    • 2.昆虫の産卵・子育て行動に関する生理生態学的研究
  • 研究テーマ

    川本治特任教授

    • 1.地すべり等農地災害の発生機構の解析
    • 2.農地地盤災害の危険度評価
  • 研究テーマ

    小坂泉准教授

    • 1.森林における熱・水・炭素循環に関する研究
    • 2.森林上における物質の乱流輸送に関する研究
  • 研究テーマ

    竹内寛彦准教授

    • 1.分子系統に基づく進化学的研究、系統分類学、系統地理学、保全生物学、両生類・爬虫類の自然史
  • 研究テーマ

    中村篤博准教授

    • 1.大気環境
  • 研究テーマ

    小糸智子専任講師

    • 1.深海性無脊椎動物の環境適応機構に関する研究
    • 2.海洋無脊椎動物の集団構造に関する研究
  • 研究テーマ

    山嵜高洋専任講師

    • 1.水質浄化過程の濃度変動特性に関する研究
    • 2.八ヶ岳南麓流域における水環境に関する研究

環境情報科学分野

  • 研究テーマ

    岩佐真宏教授

    • 1.地表棲小型哺乳動物の個体群成立・群集成立に関する生物地理学的研究
    • 2.哺乳動物の染色体進化に関する研究
    • 3.小型哺乳動物における骨格形態の地域変異からみた種認識に関する研究
  • 研究テーマ

    串田圭司教授

    • 1.リモートセンシングによる地球環境と生物資源
    • 2.自然災害対策への地理情報の利用
    • 3.温暖化予測に関わる北極域土壌圏の炭素収支の時空間変動
  • 研究テーマ

    濱田龍義教授

    • 1.微分幾何学・数学ソフトウェア
  • 研究テーマ

    ロイ キンシュック教授

    • 1.「水」と「土」の最適利用によって農地や流域の保全・修復に関する研究
    • 2.土壌・水・植物系を考慮した生態環境保全に関する研究
    • 3.各種情報技術ツール(地理情報システム(GIS)、リモートセンシング(RS)、無人飛行機(UAV)などを利用した地域資源(植生、流域、バイオマスなど)管理・評価モデルの開発」
  • 研究テーマ

    笹田勝寛准教授

    • 1.湿原の保全における水環境対策とその効果に関する研究
    • 2.荒廃農地の現状とその利活用に関する研究
    • 3.都市化された土壌の再農地化に関する研究
  • 研究テーマ

    對馬孝治准教授

    • 1.河川の物質循環の解析
    • 2.面源から流出する河川懸濁物の解析
    • 3.都市域における地下水の水質変化の解析
  • 研究テーマ

    福澤めぐみ准教授

    • 1.イヌのトレーニングに関する研究
    • 2.イヌの感覚能力に関する研究
    • 3.ヒトとの共生に関する研究

ドローン調査(日本大学生物資源科学部CNES圏内)