三浦半島の沿岸は、遠浅の岩礁海岸と砂浜が交互に見られます。
春から初夏(4~5月)と秋(8~9月)の二期には、旅鳥と呼ばれるシギやチドリの仲間が見られます。
チュウシャクシギ,キョウジョシギ,キアシシギ(以上シギ科),メダイチドリ(チドリ科)が当地で比較的よくみられます。
彼らは夏季に北半球で繁殖し、冬季に南半球で過ごします(一部は当地でも越冬)。日本では繁殖しませんが、渡りの途中に翼を休めます。
チュウシャクシギ

キョウジョシギ

キアシシギ

メダイチドリ(赤茶の鳥)とキョウジョシギ(白い鳥)

三浦半島の海岸では、海がしけた後に砂浜に大量の海藻が打ちあがり、これらをトビムシ類やハマダンゴムシなどの小動物が採食します。
シギやチドリの仲間は、しばしばこれらの小動物を採食しています。
しかし近年三浦半島沿岸では、アラメやカジメなどの大型海藻類が少なくなっている様で、海岸の環境変化が心配です。
写真は、2006年5月横須賀市佐島にある天神島臨海自然教育園での風景です。

シギ類採食後の砂浜では、海藻類が粉砕されています

博物館のムナグロ
博物館には前述4種の標本はありませんが、旅鳥としてムナグロ(チドリ科)標本を展示しています。ムナグロは、10日間ノンストップで10,600kmもの距離を渡ると考えられています。すごい能力ですね。

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