海岸近くの路上に巨大なイモムシの様な花穂が落ちていたので、見上げるとオオバヤシャブシでした。
脱落したオオバヤシャブシの雄花穂

花をつけたオオバヤシャブシの枝

オオバヤシャブシは、福島県から紀伊半島にかけての沿海地に多いカバノキ科の植物(日本固有種)です。一つの枝に雄花の穂と雌花の穂をつけます。
これらは小さな花の集合体です。スギ等の針葉樹と同様に、風で花粉を飛ばして受粉させる風媒花です。風媒花は、一般に虫や鳥等を引きつけるような装飾がないため、小さく地味な形態をしています。
オオバヤシャブシの雄花穂(大)と雌花穂(小)

雄花穂(アップ)

雌花穂(アップ)

枝をよく見ると、去年の雌花に由来する果穂がついています。
これを軽くたたくと中から、翼のついた果実がでてきました。
この果実も風で散布されます。
オオバヤシャブシの果穂

翼のついた果実

学内ではオオバヤシャブシを見ていませんが、同じカバノキ科で風媒花のイヌシデやアカシデが生育します。これらの花はまだこれからの様です。
イヌシデは博物館裏、アカシデは図書館前にありますので、是非観察しましょう。
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