2024/2/14 ヤドリギと連雀(れんじゃく)

博物館だより

大学近くの大庭の風景です。
遠くのケヤキに大きな塊がありますが、これはヤドリギです。


◆大庭の崖線林にあるケヤキに着生するヤドリギ◆


◆ヤドリギ◆

博物館の収蔵庫でヤドリギを探すと1960年代の標本が複数ありました。

これには実がついています。
標本から実の色は判りませんが、私が逗子市で見たものは黄色の実をつけていました。

◆博物館のヤドリギ標本◆

◆ヤドリギの実(2005年1月25日逗子市)◆

ヤドリギの実で有名なのは、この実を食べるレンジャク(鳥)の仲間です。

◆ヒレンジャク(2003年3月23日横須賀市内)◆

レンジャクの仲間はヤドリギの実が好物で、食べた後に排泄される種子入りの糞が、とても粘ることが知られています。
その糞は、糸を引く納豆の様にゆっくりと落ちますが、宿主のケヤキの枝に落ちるとその場にくっつきます。
条件がよければ、そこでケヤキに寄生します。

レンジャク以外にもツグミやヒヨドリが実を食べると言われています。
私はまだ見たことがありませんが、粘っている糞をしている小鳥をいつか見てみたいです。


ヤドリギの別名をホヤと呼び、レンジャクをホヤドリと呼ぶ地域があるそうです。

レンジャクの仲間は神奈川県では比較的稀な種ですが、見られる可能性はあります。

尾羽の先端の黄色いキレンジャク赤いヒレンジャクの2種が冬から春に日本で見られます。
博物館にレンジャク類の標本はありません。


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