魚類に詳しい方は、きっと種名だけでその形態
を思い描くことができることでしょう。
私は12月10日に横須賀市佐島の海岸に面した
路上でこの魚を見つけました。

体の一部が何者かに食べられてありませんでしたが、
初めて見る魚で何の仲間かもわからず、
ただキンメダイの様に赤くウナギ形の形態が
気になりました。

上向きにしゃくれ上がった大きな口には、
小さいながら鋭い歯が見られました。
珍しい魚かと思い、持ち帰りました。
同定と計測
翌日、博物館実習生と図鑑を用い、同定と計測
を試みました。全長が53.5㎝ありました。
子供向けの図鑑で、絵合わせで似た仲間を
探してから、大型の図鑑で種同定をしました。
大きな黒点
アカタチ科というグループの存在を
初めて知りました。背側と腹側のヒレを
広げてみると、本種の同定の鍵となる
大きな黒点が現れました。
自分で図鑑を用いて調べ、
種名にたどりついた時のうれしさは格別です。
南方系の魚で、相模湾が東限であることや
水深30~100mに生息することなどが
記されていました。

参考文献
「小学館の図鑑NEO 魚」(井田・松浦他,2003)小学館
「日本産魚類検索全種の同定第三版」(中坊徹次他,2013)東海大学出版会
「小学館の図鑑Z 日本魚類館」(中坊徹次他,2018)小学館
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