2025/4/23 昔、ユリ科だった植物

博物館だより

博物館の入り口にはツツジ類の植込みがあり、花の見頃を迎えているのですが、時々当地が雑木林だった頃から生育していたと思われる野草がみられます。
ホウチャクソウもその一つで、本館ツツジの植込みやクスノキの足元に生育が見られます。

ホウチャクソウ

「ほうちゃく(宝鐸)」とは、お堂の軒下につるされている大型の鈴のことです。
ホウチャクソウの名は、花の形状が宝鐸に似ることに由来します。

ホウチャクソウの花冠

以前、ホウチャクソウはユリ科に属していましたが、APGⅢというDNA情報の比較による新分類では新設のイヌサフラン科に含められました。

イヌサフランは、「コルチカム」とも呼ばれる園芸植物で、強い毒性をもつコルヒチンを種子や根に含みます。コルヒチンは医薬品として利用されています。

同様にユリ科から新たに新設された科として、サルトリイバラ科があります。
大学周辺にも生育するつる性の植物です。
同科のシオデが博物館裏に生育しています。

サルトリイバラ
シオデ(博物館の標本より)
ホウチャクソウは秋に黒い果実をつけます

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