2024/2/21 鳥にかかったルアーのはずし方

博物館だより

城ヶ島の赤羽根海岸にウミウの若鳥がおりています。
普段は下りないはずの砂浜にいたので注意すると、左側足元に釣りのルアーがかかっていました。
このため、保護しようと思いました。

ルアーのかかったウミウ若鳥

ウミウは激しく噛みついてきましたが、上下の嘴をつかんではいけません。
ウミウは雛の時期を除き、嘴にある鼻孔がふさがるため、嘴をつかみ続けると窒息してしまいます。
このため持っていたリュックにウミウの頭と上半部を押し込めました。
するとおとなしくなったので、状況をゆっくり観察できました。
ルアーには3か所に大きな三叉の針がついており、それぞれ翼と脇,趾基部の肉球と跗蹠ふしょ,水かきに刺さっていました。

ウミウの跗蹠(赤矢印)と肉球(青矢印

たまたまその場に居合わせた釣りに詳しい方から、釣り針が掛かった際の対処法を教わりました。釣り針には、返しがあるためにそのままでは引き抜けず、無理に引くとかえって傷を大きくするとのことでした。その方は自動車からペンチを持ってきて下さり、処置までして下さいました。手際よく、ペンチで3か所の針を基部から切り離し、次に鳥に掛かってたすべての針の基部を切断しました。返しに逆らわずにそっと針を動かしながら、針を除去しました。

はずしたルアー 赤矢印に三叉の大きな針が付く

自由になったウミウは、既に真っ暗になった砂浜を歩いてその場を離れていきました。
私は、役に立ちませんでしたが、はずし方を学べました。
次に城ヶ島に来る時は、釣り針やテグスを切断できる道具を携行しようと思います。

跗蹠ふしょ 鳥のかかとと指の間の部分。一本の癒合ゆごうした骨と腱がある。

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