2023/3/29
★博物館前のオオシマザクラ
今年は、3/25の卒業式頃に、
博物館前のオオシマザクラが
満開になりました。
大学の2株は、枝を横に
大きく広げています。

開花と同時に緑色の新葉を
展開するのが特徴の一つ。

さて、植物分布に着目して
地域区分したものを植物地理区分
といいます。
日本の5つの植物地理区分を
提唱した前川文夫博士によると、
神奈川県西部や沿海地が
フォッサマグナ地区とよばれる
丹沢や富士山・箱根・伊豆半島,
八ヶ岳,伊豆諸島等に固有な植物の
生育する植物区系に含まれます。
オオシマザクラは、イソギクや
ガクアジサイなどと共に
その構成種の一つです。
オオシマザクラの名は、伊豆諸島の
大島に多いことに由来します。
三浦半島の低山に本種が多くみられ
ますが、燃料用の薪をとるために
植えられたものと考えられています。
本種とエドヒガンから、日本各地に
植えられているソメイヨシノが作出
されたことや、桜餅をくるむ葉に
本種の塩漬けが使われるなど、
人との関わりも深い種でもあります。
花と新葉だけでも素敵ですが、
南関東の自然を象徴する植物として
みると、より親しみを感じます。
2023/3/22
★アオサギとウミウ
江の島の岩礁に多数のウミウと
1羽のアオサギがとまっています。
アオサギ(中央付近背高の鳥)を
よく見ていて下さい
(背後の赤嘴はミヤコドリ)。
じっとしていたアオサギが急に動き出し、
1羽のウミウをにらんだ後、襲いかかります。
襲われたウミウは魚を吐き出してしまい、
それをアオサギがすかさず食べます。
博物館のアオサギ(右はコサギ)

ウ類は、危険が迫ると魚を
吐き出してしまう習性があります。
アオサギはこの習性を利用して、
餌を得るためにウミウと一緒に
いるのかも知れません。
同様にアオサギ以外で、
トビが上空から急降下して
ウミウを脅すことがあります。
2023/3/15
★博物館裏のタンポポ
博物館の東側には、コナラなど
の雑木林のような植栽があり、
ちょっとした野草を観察する
ことができます。
晴れて暖かな3/9の日中に
タンポポを観察しました。
既に咲いている花もありました
が、つぼみをつけた状態の花も
ありました。
つぼみもつけていない葉も
目立ちました。
園路の周りでは、花をつけて
いるものはセイヨウタンポポ※
が目立ち、小田急線路と本学の
グラウンドに挟まれた
園路の無い細長い樹林では、
カントウタンポポの方が多く
みられました。
セイヨウタンポポの花

カントウタンポポの花

蕾を付けたカントウタンポポ

ここでは、フデリンドウの花や
キツネノカミソリと思われる葉
も観察できました。
セイヨウタンポポの花は冬の
寒い時期を除き、観察できます
が,カントウタンポポの花は
春から初夏までの短い期間に
しか、観察できません。
今がチャンスです。
是非、探してみて下さい。
フデリンドウ

キツネノカミソリ

※実際にはセイヨウタンポポと
在来タンポポとの雑種が
多いそうです。
ここでは、便宜的に総苞片
(そうほうへん)の反り返らな
いものをカントウタンポポ、
反り返るものをセイヨウ
タンポポとしています。

2023/3/8
★早春のシジュウカラ
大学構内では、2/27頃から
ウグイスやシジュウカラの
さえずりを聞くようになりました。
3/7には、営巣場所の
探索(巣穴のぞき)をしている
シジュウカラを観察しました。
一方で、春先は餌となる
昆虫の乏しい時期です。
普段、林を主な住処としている
シジュウカラが、湿地で探餌をしていました。
枯れたアシの葉鞘
(ようしょう; 葉の一部で茎をくるんでいる部分)を
くちばしで壊して、潜んでいる
小さな虫を食べている様です。
また、別の個体は、
新芽を出したばかりの
ヤナギの花穂(かすい; 穂状にならんだ花)や
新葉をつついていました(採食物不明)。
もう少し暖かくなって
昆虫が活発に動き出す頃には、
忙しい子育ての時期を迎えます。
シジュウカラの育雛については
2021年6月16日に紹介しています。

↑博物館のシジュウカラ(右から2番目)
ケースが替り、見易くなりました
2023/3/1
★色々な柄のウミウ
ウの仲間は、一般に黒い鳥と
思われていますが、
若鳥は背面がやや赤みを帯びた
薄茶色で腹面が白色です。
このため若鳥と成鳥を見分には、
腹側から観察すると容易です。
ウミウが岩などにとまる時には、
風下側から風上に向かって着陸します。
飛び立つときも、風上に向かって
飛び立ちます(飛行機の離着陸も同じです)。
このため、風上側から観察すると
腹側を向いたウミウを
観察することができます。
江の島の「鵜の島」(正式な地名ではない)は、
北風の多い冬期間はたいてい
腹側から観察できます。
それでは腹側からウミウを観察しましょう。
色々な柄のウミウがいますよ。
※少数のカワウも混じっています。