2022/7/27
★ウミネコの子
ウミネコは、日本の近海でのみ
繁殖をする海鳥で、
幾つかのコロニー(集団繁殖地)が
国の天然記念物に指定されています。

繁殖地から離れた藤沢周辺では、
6月頃に一時的に見かけなくなりますが、
最近再び目につく様になりました。
よく見ると今年生まれの幼鳥が混じっています。
繁殖を終えた集団が訪れているのかも知れません。

ウミネコの幼鳥は全体こげ茶で、
瞳が黒くかわいい顔つきをしています。

10月頃に他のカモメ類が
北国から渡ってくるまでは、
藤沢近辺の海岸ではウミネコだけが見られます。
冬も他の幾つかのカモメ類は
河川沿いに内陸まで見られますが、
ウミネコは海岸沿いでしか見られません。
近年都内のビルの屋上での繁殖例があります。
東京に行ったら気をつけてみましょう。


2022/7/20
★北国のウミウ(5/18)のその後
4月下旬に巣作りを観察した
知床半島のウトロにある
海鳥コロニーを6月下旬に再訪しました。
断崖上のウミウの巣内には、
雛の姿が見えます。
目の前を横切る小さな鳥はアマツバメ。
ウミウの雛は、ピイピイと鳴きながら
首をのばし、頭を左右に小刻みに震わせて
親の嘴の基部付近をつつきます。
これは「餌ちょうだい」のサインです。
親鳥はしばらく喉をぱくぱくと動かした後、
口を大きく開きます。
雛は親鳥の口から喉の奥に頭を入れて、
魚をもらいます。
一方、給水の時は、親が雛の口に
嘴を入れて水を与えます。
ウ類の雌雄は、外見がそっくりですが、
雄は雌よりも一回り大きく見えます。
ウミウの雛は鳴きますが、
成鳥は繁殖期・非繁殖期にかかわらず、
声をほとんど発しません。
こちらはより小さな雛。
大きな魚を引っ張り出してしまい
親鳥あわてます。
オオセグロカモメの親子は
親鳥が吐き戻し、さらに嘴で
食べ易くして雛に与えています。
オオセグロカモメの雛は、
その卵の殻の模様にそっくりです。

2022/07/13
★博物館研究報告・館報
「生物資源科学 Vol.31」を
発行いたしました。

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2022/7/6
★葉の白くなる植物
大学西側の低地にある
石川や大庭の水田の用水路に、
初夏のころ目を引く植物を観察できます。
写真のハンゲショウ(ドクダミ科)です。



ドクダミと同様
細長い花の集まり(花穂)をつけますが
花穂に近い葉の一部が白化します。
名の由来は「半夏生(はんげしょう)」の頃に
花を咲かせるためと言われています。
春夏秋冬を24等分したものを
24節気(せっき)、
これをさらに3等分したものを
72 候(こう)と呼びます。
「半夏生」は24節気のうち
夏至の3番目の候にあたり、
半夏(ハンゲ=カラスビシャク: 畑雑草)の
生える時期を指します。
同様に葉の白くなる植物に
マタタビの仲間があります。
どちらも昆虫に花のありかを
示す役割があるといわれています。
ハンゲショウの花に花弁はありませんが、
マタタビ類にはウメの様な花弁があります。
ハンゲショウもマタタビ類も
花期が終わると葉が緑色に戻ります。
