骨の博物館

2022/01/26
★クヌギの紅葉と落葉

昨年の秋から、レコロという
簡単なタイムラプス撮影の
できる装置を使い
博物館の室内から
クヌギの紅葉から落葉の
記録をとりました。

観察したのは、昨年春に
芽吹きから新葉の展開を
観察したクヌギです(4/28配信)。

2021年4月 博物館便り

クヌギやコナラは
大学の周囲にある
サクラ類やニレ科樹木と比較し
落葉が遅めですが
いつも気づいた時には
葉がなくなっていました。

動画をみますと、徐々に
葉が落ちるというよりは
一斉に葉を落とす様子が
見られます(特に12月25日頃)。

植物の運動は
私たち動物の時間からみると
すごくゆっくりですが
確実に動いていますし
成長もしています。

時間を短縮して観察すると
同じ生き物であることを
実感できますね。


動画右下の全画面マークを押すと
大きな画面でご覧いただけます。


動画データ
観察期間 2021年10月14日から2022年1月15日
     60分に一回撮影(※夜間の映像を削除しています)


2022/01/19
★雪の上の足跡

1月8日の朝の構内の日陰に
雪がまだ残っており
ヒトの靴跡に交じって
小鳥の小さな足跡も
混じっていました。

足跡

さてこれは誰のものでしょうか。
前後の足指を合わせた長さは約3.5㎝、
一歩は約8㎝ありました。

自然探偵鑑識課(※実在しません)では
下の容疑者を割り出しました。

スズメ、カラス類、ムクドリ、
ハト類、セキレイ類

みんな大学にいて
地上を歩いているところを
目撃されています。

容疑者たち

まず、スズメが容疑者から
はずされました。

スズメは両足を揃えて
ピョンピョン飛び跳ねますが
写真の足跡は左右の足を
交互に出しています。

スズメの様な移動をホッピングといい
ホオジロ類、ツグミ類などもします。

※ムクドリやハト類の様に
交互に足を出す歩き方は
ウォーキングと呼ばれます。


動画右下の全画面マークを押すと
大きな画面でご覧いただけます。


次にカラスが容疑者から
はずされました。

カラス類はよく見かけますが
前後の足指の長さは10㎝近くもあります。

カラス足

次にムクドリが容疑者から
はずされました。

ムクドリは、土の中にいる虫を
食べるために芝生などの上を
よく歩きますが
ここは舗装されているからです。

犯人(鳥)はハト類とセキレイ類に
絞りこまれました。

足形をさらに注意深く観察すると
後ろ向きの足指(第1趾)が
長いのです。
前向き中央の足指(第3趾)と
同じか長めです。

足跡拡大

ハト類の足指は、前向きの第3趾の方が
長いことがわかりました。

アオバトの足指
アオバト足

ハクセキレイの足指
ハクセキレイ足

よってこの足跡は
セキレイ類のものと
鑑定されました。

大学周辺に生息するセキレイ類には
ハクセキレイ、セグロセキレイ、
キセキレイがいますが
大学構内での目撃頻度から
ハクセキレイのものと推測されました。

ハクセキレイ

参考:文一総合出版「鳥のフィールドサイン観察ガイド」
(箕輪義隆,2016)


2022/01/12
★博物館のトラ

今年もよろしくお願い致します。
干支にちなみ、博物館のトラを紹介します。

まずは獣のトラ
本物のホワイトタイガーです。

トラ_1

トラは、生息地域により
形態に違いがあります。
これらはそれぞれ亜種として
区別されます。

ホワイトタイガーは、
インドやネパールに生息する
亜種ベンガルトラの体毛の白いものです。

博物館の標本は、東武動物公園で
飼育されていた「リュウ」という
20歳の国内最高齢、人気者のトラでした。

トラ剥製

トラ骨

剥製と骨のどちらの標本も
「リュウ」のものです。

続いて鳥のトラ、トラツグミです。

トラツグミ1

トラの模様にちなんだ名ですが
胸や頭部などの羽毛一枚一枚に
黄や白の地に黒の縞模様がついています。

トラツグミ2

多い鳥ではありませんが
冬に低地で見られます。

博物館の標本は大学内で
死んで拾われたものです。

そして、植物のトラ、オカトラノオです。

トラノオ標本

トラノオ

植物では長い部位が
トラの尾に例えられます。
このオカトラノオも
長い花穂がよく目立ちます。

藤沢周辺でも夏に明るい
林の縁などで見られ
昆虫がよく花に来ています。





2021年 博物館便り

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