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食品開発学科 ミルク科学研究室 上席研究員 西村順子

西村 順子

令年6年4月からミルク科学研究室で、研究・教育の補助に携わっています。日本大学に来る前は、福島大学食農学類に勤務していました。ライフワークとして乳酸菌の生産する菌体外多糖や香気成分といった二次代謝産物について取り組んでいますが、近年は農作物栽培における有機農業における特殊肥料の効果について、生化学的・微生物学的に研究しています。⇒ リサーチマップへ

あわせて、福島市観光コンベンション協会でも活動しています。⇒ 福島の活動

お知らせ

ネット配信 第3回目「知っているようで知らないミルクの秘めたるパワー! ふくしま乳(NEW)発見! 旅するミルク科学」

主な研究内容

乳業用乳酸桿菌(ブルガリア菌)が生産する菌体外多糖の化学構造の解析とその機能性評価、乳業用乳酸球菌(クレモリス菌)による香気成分の生成とメカニズムの解明、馬糞堆肥の製造と作物栽培に与える影響についてなどです。

1 乳業用乳酸桿菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus: ブルガリア菌)が生産する菌体外多糖の化学構造の解析とその機能性評価
発酵乳に使用されるスターターの一つであるブルガリア菌の中には、菌体外多糖を作り出すものが存在し、発酵乳の粘性や組織改善に効果を発揮しています。研究に使用したブルガリア菌は乳培地中で2種類の菌体外多糖を生成し、それらは同一の糖鎖骨格を有しており、酸性基(リン酸基)を含む多糖にだけ、免疫を活性化する効果が認められました。

2 乳業用乳酸球菌(Lactococcus cremoris: クレモリス菌)による香気成分の生成とメカニズムの解明
酪農牛生乳から乳酸菌を分離し、ヒトに有益な作用が示唆される菌株を選抜して同定したところ、クレモリス菌であることが判明しました。クレモリス菌はチーズ風味の形成に関与することが判明しており、本菌株が生成する香気成分を分析したところ、有機酸や硫化化合物などの増加が確認されました。現在、これらの香気成分の派生メカニズムの詳細について研究を進めている最中です。

3 馬糞堆肥の製造と作物栽培に与える影響
現在、世界的に循環型農業が推進されており、地球環境にやさしい営農が求められています。日本においては、2021年から「みどりの食料システム戦略」が施行され、日本の農業生産力の向上と持続性の両方の観点から、食料生産に取り組むよう推進されています。
私たちのフードチェーンの最も川上になる農作物栽培では「土作り」が非常に大切で、一般成分のみならず土壌微生物も作物の品質や収量に大きく影響します。私は特殊肥料のひとつである馬ふん堆肥に着目し、微生物学的な解析をもとに、より安全な堆肥が提供できるよう検証を行っています。

略 歴

福島県立福島女子高校(現:福島県立橘高校)卒
帯広畜産大学畜産学部家畜生産科学科卒
東北大学大学院農学研究科博士課程前期 単位取得後退学
東北大学農学部 教務職員
東北大学大学院農学研究科・農学部 技術専門職員
東北大学総合技術部 技術専門職員
東北大学総合技術部 技術専門員
八戸工業大学工学部バイオ環境工学科 准教授
八戸工業大学工学部バイオ環境工学科 教授
福島大学農学群食農学類 教授
日本大学生物資源科学部食品開発学科 上席研究員、福島大学農学群食農学類 客員教授

座右の銘

無知の知

趣味・その他

ウマの鑑賞(観る、賭ける、乗る(全て))、ハイドロカルチャー、道の駅・産直めぐり、ドライブ、神社仏閣めぐり、家庭菜園など

福島の活動について

前職が福島大学で出身も福島ということから、現在も福島と深いつながりがあります。都会と地方をどう繋げたらいいのか、日々画策しながら活動しています。今年1月からは福島市観光コンベンション協会の記事を書いています。福島での活動として適宜掲載していきますので、どうぞご覧ください。

collage of various dairy products
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