「フィールドワーク」から「ラボリサーチ」まで
「森林分野」と「木材分野」を1つの学科で学べる大学は意外と少ない!フィールド系から実験系まで,入学してからも幅広い分野を学ぶことができます。理解を深めてから自分に合った研究テーマを探すことができます。

森林科学を総合的に学べる大学 ABOUT FOREST SCIENCE AND RESOURCES

[森林資源科学科はこんなトコ]
森林は人類の生存にとって不可欠な自然環境を提供してくれる存在であり,地球上で最も現存量の多い生物資源でもあります。 この森林環境や森林資源に関する課題についてグローバルな視点で理解できる能力を身につけ, 持続可能な森林環境や社会の実現に貢献できる人材の育成を目指しています。そのためには,木材の生産だけではなく森林で生産されるバイオマス資源の有効利用や自然環境の保全, 土砂災害などを防ぐ国土保全などの多様な森林の機能を巧みに取り扱い,それらの機能を持続的に発揮させる知識について学習します。

図 図

受験生の皆様へ FOR PROSPECTIVE STUDENTS

※ホームページの情報は, コロナ禍以前の実習・講義風景を含みます.

現在, コロナ感染対策を充分に行った上で, 実習・実験・講義を実施しています.

森林資源科学科で学ぶ4つの分野 FOUR AREAS

多様な生物と土・水などで構成されている森林の仕組みや,森林を造り,守り,育み,人々の暮らしに活用する方法など,広い分野の問題を取り扱うことから,4 つの分野に大きく分けて体系的に学んでいきます。

森林関連の学科が独立して設置されている大学は,国公立大学で28大学,私立ではわずか2大学です。 日本大学 森林資源科学科の最大の特徴は,1つの学科の中で,「森林科学に関する内容を幅広く学ぶ」ことができます。

4つの分野

  • 生物分野
  • 環境分野
  • 経営・利用分野
  • 工学・バイオ分野

森林圏生物多様性科学分野

森林動物学研究室
  • 昆虫学
  • 野生動物学
  • 動物生態学
森林植物・微生物学室研究室
  • 森林微生物学
  • 樹病学
  • 造園学

地球上にはさまざまな自然環境があり,それぞれの環境に多種多様な生物が生息し,豊かな生態系をつくりあげています。長い進化の歴史の中で, 生物は他の生物と複雑な相互作用をくり返しながら,その生息環境に適応してきました。 そして,豊かな生物相,すなわち生物多様性を作り上げてきたのです。森林生態系とそこに生息する生物を保全し, その恵みを将来にわたって人間の生活に活かしていくためには,そこに棲む生物相に関する生物学的な理解と応用が不可欠です。 フィールド調査から得られたデータを解析して森林生態系の多様性や持続可能性を理解し,それらの知識をどのように森林環境保全に応用していけばよいかを考えます。

森林圏環境システム学分野

森林生態学研究室
  • 森林生態学
  • 造林学
森林環境保全学研究室
  • 森林水文気象学
  • 山地保全学

森林は全陸地面積の30%,日本の国土面積の67%を占め,私たちの生活にとって不可欠な自然環境をつくりだす重要な役割を果たしています。 森林生態系を健全な状態で維持することは,今世紀の最大の課題といえます。 森林圏環境システム学分野では,水源涵養や土砂災害防止,温暖化防止,木材生産などの森林の機能を科学的に解明し, 将来にわたって森林生態系を適切に管理・利用するための技術の開発や,今後の森林環境保全のあり方を明らかにする研究を行っています。 研究の対象は,身近な都市近郊の林から,山地の森林,乾燥地帯の森林や熱帯雨林まで様々です。

持続可能な森林経営・利用分野

森林共生学研究室
  • 森林管理
  • 政策
森林利用学研究室
  • 森林利用

持続的な森林経営を進めるためには,各地域における長期的な視点に立った森づくりのマスタープランを作成し, その実行にむけて指導できる技術者が必要です。また,持続的な森林経営を実現した上で,林業の採算性を回復するためには, 専門的かつ高度な知識や技術を有する技術者・技能者の育成が必要です。持続可能な森林経営・利用分野では,低炭素社会を実現するための課題と, 森林における生物多様性の保全の考え方を理解して森林資源の管理・生産に携わることのできる技術者・技能者の育成を目指します。

森林資源利用の工学・バイオテクノロジー分野

木造建築学研究室
  • 木造建築学
  • 建築計画学
木材工学研究室
  • 木質材料学
  • 居住環境学
バイオマス資源化学研究室
  • バイオマス資源化学
  • 森林バイオテクノロジー

21世紀は,限りある化石資源に依存する社会から脱却し,森林から生み出される資源をうまく活用する時代です。 森林で育った木材をもとに建築や家具などをつくりだし,またバイオエタノールや木材ガスなどのバイオマスエネルギーを取り出すことによって, 地球の生態系と調和した科学技術にもとづいた豊かな暮らしを実現することが私たちの課題です。そのために,生物材料としての木材の特質や長所を熟知し, 木材を生かした家づくり・ものづくりを総合的に把握できることを目標としています。 また,森林バイオマス由来のエネルギーの生産や,森林資源をもとにつくり出すさまざまな機能性材料の生産などの新しい科学技術と産業を担う人材の育成を目指します。

開講科目一覧 OUTLINE SUBJECT LIST

※赤字は実験・実習科目

  1・2年生 3・4年生



  • 森林資源科学概論Ⅰ(生物環境)
  • 森林資源科学概論Ⅱ(資源)
  • 森林資源科学実習
  • 樹木学
  • 森林動物学
  • 森林昆虫学
  • 森林微生物学
  • 森林土壌科学
  • 森林生態学
  • 自然災害論
  • 森林水文気象学
  • 森林計画学
  • 森林利用学
  • 木造住宅論
  • 木材物理学
  • 森林資源化学
  • 特別演習Ⅰ
  • 特別演習Ⅱ
  • 卒業研究



  • 森林生物の多様性と進化
  • 森林圏基礎科学
  • 森林政策学
  • 材料としての木材
  • 森林基礎有機化学
  • 森林基礎力学
  • 森林統計学
  • 夏季演習林実習
  • 冬季演習林実習
  • 造林学
  • 環境緑化工学
  • 森林計測学
  • 森林計測学実習
  • 森林GIS
  • 森林機械学
  • 建築計画論
  • 木材物理学実験
  • バイオマス資源利用学
  • 森林資源化学実験
  • 森林測量学
  • 森林測量学実習
  • 森林海外実習
  • 森林資源科学インターンシップ
  • 樹病学
  • 風致造園学
  • 造林学実習
  • 森林生態学実習
  • 山地保全学
  • 山地保全学演習
  • 森林水文気象学演習
  • 建築材料学
  • 森林リモートセンシング
  • 森林航測学実習
  • 森林・木材・環境ビジネス論
  • 森林土木学
  • 森林利用学実習
  • 建築史・保存活用論
  • 木造建築構法
  • 建築設計製図Ⅰ
  • 建築設計製図Ⅱ
  • 木材加工学
  • 木材計測学実験
  • 木質材料学
  • バイオマス資源利用学実験
  • 森林環境教育論
  • 森林レクリエーション
  • 森林生物多様性実習
  • 森林生物多様性実験
  • 木材防腐防虫学
  • 風致造園学実習
  • 建築施工論
  • 建築法規
  • CAD 製図
  • 専門英語

森林では□□が学べます KEYWORDS

対象は「森林」や「木材」ですが,その切り口は様々です。「森林」や「木材」に皆さんの知っている学びのキーワードを掛け合わせると… 「森林資源科学」が見えてきます。

~森 林 (FOREST)~

昆虫

昆 虫
美しい虫からヘンな虫まで,森林に棲む昆虫の多様性とその世界は…?

微生物

微生物
おいしいだけじゃない!?生態系の立役者,森のキノコの不思議にせまろう!

野生動物

野生動物
森林に棲む野生動物の行動は謎だらけ。解き明かして保全につなげよう。

生態系

生態系
森林で繰り広げられる「生物と生物」,「生物と環境」の相互関係を明らかに!

防災

防 災
私たちの生活を守る森林。山地災害のしくみや海岸林の保全を考えよう。

機械

機 械
高性能な林業機械を活用して林業の作業効率の向上に役立てよう!

教育

教 育
森林の大切さを次世代に伝えるために私たちがすべきことは?

気象

気 象
森林を巡る水の動きや森と気候のかかわりを明らかに!
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~森林バイオマス(BIOMASS)~

建築

建 築
古民家はエコハウス!?古くて新しい古民家の建築技術を活用しよう。

工業

木材 製品
木材は丈夫で快適な自然素材。
その特性を知って賢く利用!

化学

森林バイオマス由来の成分
樹木の体を構成する成分は何だろう?細胞壁成分の視点で「森林バイオマス」を解き明かす!

バイオテクノロジー

樹木・木材のミクロな世界/バイオテクノロジー
森林バイオマスを遺伝子や細胞レベルで樹木の成長能力を高める技術とは?

CAD

CAD
コンピュータを使っていろいろ設計。平面図・立面図・断面図まで。3D表示も!
前へ
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実習の紹介 OUTLINE PRACTICE

1 年生では,「森林科学入門」としての実習,2 年生以降は,専門性の高い実習が開講されます。実習では,各地にある演習林を活用します。講義で学び,実習で実践することで,理解を深めることができます。

実習場所(演習林)の紹介

八雲演習林・長万部演習林[北海道]

水上演習林[群馬県]

藤沢演習林[神奈川県]

君津演習林[千葉県]

  • 八雲演習林・長万部演習林[北海道]

    八雲演習林・長万部演習林
    [北海道]

  • 水上演習林[群馬県]

    水上演習林
    [群馬県]

  • 藤沢演習林[神奈川県]

    藤沢演習林
    [神奈川県]

  • 君津演習林[千葉県]

    君津演習林
    [千葉県]

八雲演習林・長万部演習林[北海道]

温帯から亜寒帯への移行帯で,ヤチダモ,ハルニレ,ブナ,ミズナラ,シナノキ,カンバなどの天然広葉樹が混生しています。八雲演習林は約2400ha と山手線内側の半分に相当する広さです。八雲演習林の保安林以外の林地と長万部演習林ではトドマツが造林されており,森林生態系や造林,林業経営などの教育,研究等に最適の場所となっています。

水上演習林[群馬県]

冷温帯に位置する面積約150ha の演習林で,ブナ,ナラ,シデ,カンバなどを主体とした50~60 年生の二次林で構成されています。林内には,降雪・雨量・風力観測点や動物の定点観測機などが設置されており造林学や森林計測学等の実習ならびにブナの造林,野ネズミの調査・研究等で通年的に利用されています。

藤沢演習林[神奈川県]

湘南キャンパスと隣接した約5ha の平地林で,クヌギ,コナラ,シラカシ,アラカシその他の広葉樹で構成されています。また,スギ,ヒノキ,サワラが小規模に点在しています。付帯施設として見本園および苗畑,シイタケ生産施設があります。

君津演習林[千葉県]

下ノ原地区(約10ha)と小坂沢地区(約22ha)に分かれています。下ノ原地区は総面積の約50% がスギ・ヒノキの人工造林地です。教材として竹林およびコナラ・クヌギのシイタケ原木林を残し,天然林はカシ類を主とする照葉樹林で構成されています。小坂沢地区では一部にスギ・ヒノキの人工造林が行われました。天然林はカシ・ナラなどの広葉樹で構成され,峰筋にモミがみられます。

森林資源科学実習

1年生の必修科目で実習の「入門」です。少人数グループで異なる専門分野の教員とともに多様なフィールドに出かけ,森林の実態を観察し,レポートにまとめます。この実習を通じて本学科の扱う学問領域の広さを知り,さらに身近な森林が抱える問題について理解を深め学んでいきます。テーマは次にあげるような4 つの分野に分かれています。これらの中から実習テーマを3 つ選択して受講します。これら毎週の実習以外に,2 泊3 日の学外研修(軽井沢野外実習)があります。
本学科では,この森林資源科学実習以外にさまざまな実習・演習・実験が開講され,フィールドから学ぶ機会が得られます。

  • 生物分野

    • 昆虫の多様性の実感
    • 森林生態系と微生物のはたらき
    • キャンパスから学ぶ森林造り
  • 環境分野

    • 森林の生態系の観察
    • 樹木を詳しく観察する
    • 山と海岸の森林の働き
    • 森林の水循環と気象の観測
    • 森林の熱・水・炭素の循環
  • 経営・利用分野

    • 安全な森林作業の体験
    • 巨樹・巨木の森の観察
    • 森のある都市公園の役割
    • 森林の過去・現在・未来
  • 工学・バイオ分野

    • 古民家の見学とスケッチ
    • 木材の香り成分の分離
    • 木材の特性と良さを知る
    • 木材計測装置をつくろう

軽井沢野外実習

軽井沢野外実習は,1年次の森林資源科学実習の一環として実施される2泊3日の実習です。毎年,6 月初旬~中旬に実施されます。宿泊場所は日本大学の軽井沢研修所で,約300 名が宿泊することができます。ここに全1 年生,教員,実習補助の学生が宿泊し,自然豊かな軽井沢の森林を通じて,野外調査や樹木観察の基礎を学び,体験します。

樹木観察

実習を通じて樹木観察を行います。先生や先輩たちが樹木観察の基礎,樹種の同定の仕方を丁寧に教えてくれます。軽井沢は夏緑広葉樹林帯に属し,ミズナラ,シラカンバ,トチノキ,イタヤカエデなどが見られます。また,カラマツの植林地も多く見られます。

テーマ別実習

2日目の午後は,専門分野別に実施されるテーマとして,調査や計測の基本を学び,体験します。先輩が親身になって教えてくれます。

樹木テスト

実習最終日は,この実習で学んだ樹種名のテストを行います。葉の付き方や形の特徴を覚えて,一人ずつテストに挑みます。合格するまで何度でも挑戦します。

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