食料生産実習

キャンパスと一体化した農場・食品加工実習所で、田植・稲刈から合宿農業体験、ソーセージづくりまで!

本実習は選択科目(定員制)で、受講学生は毎年面接・レポート等により実習への熱意を審査の上、受講が決定されます。

例年は、前期のゼミ(座学)に始まり、春の田植、夏休み中の合宿集中実習(3泊4日、耕種・畜産・農業機械の農場内全部門と食品加工実習)、秋の稲刈りと実習を行います。但し、2020年度はイレギュラーな対応を余儀なくされました。

本年度の受講生は20名(女性15名、男性5名)。コロナ禍で実習に参加できない学生もいるなど、教員、学生双方にとってしっくりいかない年となりました。

前期の座学はオンデマンドとオンラインの併用。実習なのにオンラインとは此は如何に。7月には関東地方の罹患者数が急増し、夏期休暇中の宿泊実習はもとより、農場実習自体が危ぶまれました。 こうした中、関係者の尽力もあり、9月末から11月中旬にかけて土曜日に日帰り実習を実施することになりました。勿論、三密を避け、作業中のマスクも義務化しました。なお写真の一部にマスクを外したものがありますが、これは撮影時のみの一時的措置です(発話禁止の上で撮影)。ご理解をいただければと思います。

例年は5月の播種、6月の田植、7月の生育調査を経ての稲刈りですが、今年は9月末の稲刈りからスタート。生物資源科学部農場内の水田(10a)において、鎌での手刈り。2年連続して雨天となり、作業は1時間半で終了となりましたが、鎌の使い方、稲の束ね方等を経験しました。

10月以降は、キャンパスが疎となる土曜日を使っての日帰り実習。班別実習では、酪農では搾乳、給餌、農産(畑作・園芸)では、畑圃場や温室での収穫、調製作業、農業機械ではトラクターやユンボの運転実習などを行いました。各班の人数を減らした分、例年以上に実習密度は濃いものとなりました。

酪農では、午後搾乳を体験。搾乳後から出荷までのシステムを学修し、あわせて牛舎の掃除や子牛への哺乳などを行いました。本学の酪農実習は、観光牧場の体験搾乳などと異なり、乳業メーカーに販売物・経済行為として出荷しています。このため、何かあると乳業メーカーやほかの酪農家にも迷惑をかけるので、文字どおり真剣勝負です。農場の先生方の的確な指導で次第にキビキビとした作業となり、全日とも、無事に約20頭の搾乳作業を終えることができました。なお、搾乳時のふん尿攻撃を受ける学生が出るのは例年通り。母牛がリラックスした証拠とも言えるので、それはそれで良い体験です。

畑作では、里芋の播種や除草作業を行い、また、トウガラシについての知見も得ました。激辛ブームでよく聞くようになったブートジョロキアも栽培しています。なお、秋の実習となった今年は、大根やキャベツ等沢山の収穫体験ができました。園芸では、パンジーの定植や肥料の混合、花の剪定や花束作り等に取り組みました。

農業機械では、トラクターの運転などは免許のない学生はやや苦労していました。けん引もいざとなると、左右が混乱しすごく難しいことが分かります。

また、農場での実習以外には食品加工実習所で、本格的なソーセージ、レトルト食品の製造実習を行いました。本実習所は、大学施設では全国唯一のJAS認定食肉加工施設です。

枝肉を脂肪と肉に切り分けて赤身の肉をミンチにし、ミキサーで調味料等と混ぜ、ケーシングして、タコ糸でソーセージの形により分け、美味しいソーセージに仕上げていきます。さらに、本学の誇る本格的なレトルト加工機で、豚肉の角煮づくり、サツマイモのレトルト作りを行いました。

例年は、自分たちで作ったソーセージや畑作実習で収穫した野菜類を材料としたバーベキュー大会で実習を打ち上げるのですが、本年度は当然ながらそれも不可に。おそらく学生がそれぞれ自宅でソーセージや角煮を楽しんだことでしょう。

首都圏全体の農学系大学でも、本学のように(長距離移動することなく)学内で田植えや稲刈り、搾乳など【食に関する全ての学び】を体験できる例は希少です。農場とキャンパスが一体となった本学のロケーションのよさは、コロナ禍にあっても十分発揮されました。

今年は例年のような実習はできませんでしたが、屋外での農作業や加工実習はやはり気持ちよかったです。手を動かし、頭を使ってこそ得られるものがあることを、学生も実感できたのではないでしょうか。以上、変則的な実習となりましたが、それなりに記憶に残る体験となったことでしょう。

皆さん本当にお疲れ様でした。またお世話になった全ての関係者の方々に、この場を借りて厚く御礼申しあげます。

この記事をご覧の受験生の皆さん、一緒に実習できることを心待ちにしています!

※キャンパスと実習施設が一体になった、本学部の誇れる農場・食品加工センターの概要は以下をご覧ください。
農場NUBS-Farm
食品加工実習センター

(実習担当教員)高橋 巌・小野 洋

9月末、ようやく全体顔合わせ
鎌の扱いには注意
乾燥は天日で
一つの穂にコメはいくつ出来る?
雨中の作業は大変でした
パンジーとビオラは何が違う?
トウガラシの奥深さを勉強中
大根!
花の剪定
けん引はみるとやるでは大違い
ウシのエサは何でしょう
掃除も大事な仕事
搾乳したミルクはここに貯めます
包丁の扱いには注意してください
この骨は何だろう?
ソーセージは羊腸でつくります
レトルトパックもつくります
作った製品は自宅で楽しみました

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