食料生産実習

-キャンパスと一体化した農場・食品加工実習所で、田植・稲刈から合宿農業体験、ソーセージづくりまで!

同実習は選択科目(定員制※)で、前期のゼミ(座学)に始まり、春の田植、夏休み中の合宿集中実習(3泊4日。耕種・畜産・農業機械の農場内全部門と食品加工実習)、そして秋の稲刈りと実習が続いていきます。
本年度は25名(うち女性21名)と過去最多の受講学生となりました。男性の受講が少なく寂しかったものの、受講生全員のモチベーションは高く、充実した実習となりました。

※受講学生は毎年面接・レポート等により実習への熱意を審査の上、受講が決定されます。

5月の連休明け。苗づくりのため種籾(たねもみ)の播種作業を行いました。土を入れた苗箱にかき取り板で平らにした後、苗箱に種を播き覆土していきます。はじめて籾をみた(白米を蒔くと勘違いしていた)学生もいたようで、まさに百聞は一見に如かず、の体験でした。

続いて6月上旬、生物資源科学部農場内の水田(10a)において、自ら播種して育てた苗を手植えしました。当日は適度に雲も出て、絶好の田植日和でした。
素足で泥田に入るのが初めての学生たちは、最初悲鳴も上げていました。今年は、作業の習熟が早く、スピードがどんどん上がり、これまでにない最速の作業終了となりました。

夏期休暇中の8月20日(月)~23日(木)の間、3泊4日で学部農場に宿泊しての本実習(農場等での合宿実習)を行いました。今年は7月中旬以降の猛暑もあり、学生には疲れがみえたことから、体調管理には十全を期しました。
班別実習では、畜産では早朝の搾乳、豚舎・牛舎での管理作業、温室やバラ園での作業、農業機械ではトラクターやユンボの運転実習などを行いました。

畜産では、養豚のフン掃除はやはり臭いが厳しかったです。エサやりでは10kgのバケツを何度も持ち上げ大変そうでした。でもこれがあってこそ、我々はおいしい肉を食べられるのです。

酪農では、毎朝早朝5:30から作業を開始し、朝の搾乳と生乳出荷、牛舎の掃除や子牛への哺乳などを行いました。本学の酪農実習は、観光牧場の体験搾乳などと異なり、乳業メーカーに販売物・経済行為として出荷しています。このため、何かあると乳業メーカーやほかの酪農家にも迷惑をかけるので、文字どおり真剣勝負です。農場の先生方の的確な指導で次第にキビキビとした作業となり、全日とも、無事に20頭近い搾乳牛の搾乳作業を終えることができました。その後はかわいい仔牛への授乳。全員の顔が緩みます。

農産(畑作)では、野菜の播種や除草作業を行いました。日によっては35度近くになり、みんな大汗をかいての作業でややグロッキー。記念写真も元気いっぱい・・なのですが、さすがに普段より疲れ気味かも。でも、全員作業をやり遂げました!

農業機械では、トラクターの運転などは免許のない学生はやや苦労していました。園芸(花き)では、バラの肥料やり、花束づくり(これはセンスが出ます)、また今年は窒素分の実験・計測を行う等、これまでにない取り組みもありました。

3日目の午後は、大学施設で全国唯一のJAS認定食肉加工施設である食品加工実習所で、本格的なソーセージ、レトルト食品の製造実習を行いました。1.枝肉を脂肪と肉に切り分けて赤身の肉をミンチにし、2.ミキサーで調味料等と混ぜ、3.ケーシングして、タコ糸でソーセージの形により分け、4.桜のチップで燻して、美味しいソーセージに仕上げていきます。さらに、本学の誇る本格的なレトルト加工機で、豚肉の角煮づくりも行いました。

実習のフィナーレには、4日間過ごした農場内で、お世話になった農場の方々を招待して盛大なバーベキュー大会と報告会を行いました。全員で協力してつくりあげたソーセージや肉、収穫した野菜を、お腹いっぱい堪能しました!

そして実りの秋、9月下旬。いよいよ大事に育てた稲の稲刈りです。今年は残念ながら雨天となりました。でも、鎌での手刈り、ハザ掛けは貴重な体験になったことでしょう。

首都圏全体の農学系大学でも、本学のように学内で田植えや稲刈り、搾乳など【食に関する全ての学び】を体験できる大学の例は希少です。改めて、農場とキャンパスが一体となった本学のロケーションのよさを痛感しましたが、学生たちの表情を写真でご覧いただければ、実習の充実感はご理解いただけると思います。

実習生の皆さんは、早朝からの農作業、合宿生活と大変だったかもしれませんが、その分、長く記憶に残る体験となったことでしょう。本当にお疲れ様でした。お世話になった全ての関係者の方々に、この場を借りて厚く御礼申しあげます。
この記事をご覧の受験生の皆さん、一緒に実習できることを心待ちにしています!

※キャンパスと実習施設が一体になった、本学部の誇れる農場・食品加工センターの概要は以下をご覧ください。
農場NUBS-Farm
食品加工実習センター

(実習担当教員)高橋 巌・宮部和幸・小野 洋

5月、種籾(たねもみ)の播種作業から実習がスタート!
6月、田植え、最初は元気です
これだけ揃うと壮観です
みなさんお疲れでした
夏季農場実習:ユンボにも乗ります(機械)
合宿中の食事は学生食堂で全員一緒に
宿泊は7人部屋
農場の先生の話を真剣に聞いています(畑作)
シクラメンを材料に窒素分の測定(花き)
自分で花束も作ります(花き)
ソーセージづくり(1)(食品加工)
ソーセージづくり(2)(食品加工)
朝5時半からの搾乳作業
最終日の打ち上げ(1)
最終日の打ち上げ(2)
稲刈り:これにて全日程終了

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